車両試作および走行試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 03:34 UTC 版)
「デュアル・モード・ビークル」の記事における「車両試作および走行試験」の解説
発案者であり、開発指揮を担当したJR北海道の当時の副社長の柿沼博彦は、本車両製作のきっかけを「2002年(平成14年)に幼稚園の送迎バスを見て、わずかな改造でそのまま線路上に乗せられるのではと考えた」と語っている。 2004年(平成16年)、日産自動車製のマイクロバス(日産・シビリアン)を改造した定員34名の第1次試作車(愛称・サラマンダー901)が完成し、日高本線で走行試験が行われた。艤装など加工組み立ては、JR苗穂機関区では自動車としての構造変更等の経験及び実施例がないため、軌道除雪車製作や一般道用の除雪車の制作で関わりのある株式会社日本除雪機製作所が行っている。ベース車両は1999年で製造終了した旧型シビリアン(W40型系)である。 2005年(平成17年)には2両を背中合わせに連結できる新型の第2次試作車(911・912号車)が製造され、同年10月3日に石北本線北見駅 - 西女満別駅 - 女満別空港間で実用化を前提とした走行試験が行われた。この2両は1999年のフルモデルチェンジ後のシビリアン(W41型系)をベース車両としているため、前年の車両とは車体各部が異なる。 2005年(平成17年)11月14日午後11時半ごろ、札沼線(学園都市線)での試運転中に月形町の石狩月形駅 - 豊ヶ岡駅間の踏切で積雪に乗り上げて脱線し、12時間以上立ち往生した。これはDMVの車体が一般の鉄道車両に比べて軽いことが原因とされる。この事故以降、DMVの試験運用は積雪が少ない道東圏や北海道外でのみ行われるようになった。 2006年(平成18年)には、静岡県富士市が市制40周年記念事業としてJR北海道より車両を借り入れ、岳南鉄道(現在の岳南電車)岳南線にて11月24日から26日まで夜間走行試験を実施。翌2007年(平成19年)の1月14日と21日にデモンストレーション走行として、岳南原田駅にモードインターチェンジが作られ、市場踏切との間で片道鉄道・片道道路の往復運転を行った。 2007年の通常国会において、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案が成立した。この法律では、同一の車両(など)を用いて鉄道事業法による鉄道事業(など)と一般乗合旅客自動車運送事業の両方の運送サービスを提供する場合を「新地域旅客運送事業」として、DMVや水陸両用車につき、運賃・料金・各種認可届出などの整備を行おうとするものである。この法律によりDMVの法整備がなされた。 2008年(平成20年)には南阿蘇鉄道で、2009年(平成21年)には天竜浜名湖鉄道で試験運行が行われた。 また当時は毎年、苗穂工場公開の際にDMVの試乗会も行われていた。
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