車両輸送について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 03:22 UTC 版)
新製車両の出荷である甲種輸送を行う際は、豊川製作所から専用線を通り豊川駅からJR飯田線を走り日本全国へ輸送される。甲種輸送を行うのは火曜日が多い。 JR東海在来線車両は、豊川製作所から専用線を自走し、豊川駅から試運転を兼ねて、各車両区へ自力回送される。名鉄車両、名古屋市営地下鉄鶴舞線・桜通線向け車両の輸送は笠寺駅までJR線を利用、ここから名古屋臨海鉄道東港線・東築線経由で名鉄築港線東名古屋港駅に取り込む形で行われている(「名古屋臨海鉄道#名鉄新車搬入」「名古屋鉄道#車両の輸送」を参照)。 JR北海道向け車両、日本国外向け輸出車両(大型車両を除く)は同様のルートで東名古屋港駅に送った後、その先の専用線を使って岸壁に横付け、船積みされる(「名電築港駅#車両・資材の搬入例」を参照)。 京成電鉄および北総鉄道向けはJR横須賀線逗子駅まで甲種輸送した後、京浜急行電鉄逗子線・神武寺駅 - 六浦駅 - 金沢八景駅間に三線軌条方式で敷設されている狭軌の線路を使って総合車両製作所(J-TREC)本社・横浜事業所に取り込まれ、台車の付け替え、最終整備を行った後、自力または京成から迎えに来た電車に牽引されて京急本線・都営地下鉄浅草線経由で京成線内に入るのが慣例だが、例外もある。2009~2010年納車の有料特急専用車2代目AE形は車体長がやや長く、起動加速度2.0km/h/sで、京急で乗り入れが禁止されているボルスタレス台車装着車であるなど、京急線内の自力走行に必要な基準を満たさなかったため、京葉臨海鉄道臨海本線千葉貨物駅まで甲種輸送し、そこから陸送で宗吾車両基地に送られた。2019年8月納車のAE形9番編成と、2021年10月納車の2代目3100形では、JR武蔵野線越谷貨物ターミナル駅まで甲種輸送した後北総鉄道印旛車両基地まで陸送された(「京急逗子線#その他」「逗子駅#総合車両製作所横浜事業所専用鉄道」、「総合車両製作所#横浜事業所回送線」、「川崎車両#完成車両の輸送方法」の各記事を参照)。 新京成電鉄向け車両(例:80000形・N800形)は京成と基本設計が共通であっても、運転台等の細かい仕様が違い、京急線や都営浅草線を通過できない。このため豊川から千葉貨物駅または越谷貨物ターミナル駅まで甲種輸送し、そこから北総鉄道印旛車両基地まで陸送、整備した後、京成高砂駅、京成津田沼駅にある連絡線経由で新京成のくぬぎ山車両基地まで回送されていた。(「京浜急行電鉄#仕様」、「印旛車両基地#歴史」、「京成電鉄の車両検修施設#宗吾車両基地」の各記事も参照)。 新幹線など大型車両の場合は、トラック・トレーラーなどで陸送される。また、これ以外でも名鉄瀬戸線用の4000系や名古屋市営地下鉄東山線・名城線用、遠州鉄道の車両も深夜にそれぞれの車両基地までトレーラーで陸送される。陸送は主に日本通運が担当している。なお、東海道新幹線用電車の国鉄・JR東海浜松工場までの輸送には2004年まで鉄道による甲種輸送が実施されていた(「東海旅客鉄道浜松工場#引込み線」を参照)。
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