試製晴嵐とは? わかりやすく解説

試製晴嵐

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 01:29 UTC 版)

晴嵐」の記事における「試製晴嵐」の解説

晴嵐伊四百型潜水艦(のちに伊十三型潜水艦をも加える)を母艦として、浮上した潜水艦からカタパルト射出され戦略的な目的での攻撃使用されるために計画され特殊攻撃機である。最大速度時速474km(250ノット)・フロート投棄時560km、低翼単葉浮舟複座航続距離166ノット642浬、兵装は13mm旋回機銃1と250kg爆弾1。 「潜水空母伊四百型潜水艦搭載するため、愛知航空機において母艦同時期に開発着手され昭和18年11月試作第一号機が完成した92式改3航空魚雷による雷撃、または250キロ爆弾(4個まで搭載可能)、または800キロ爆弾による平および急降下爆撃が可能であった実戦における攻撃時にはエンジン出力の関係から大型爆弾場合フロート装着しない仕様になっており、攻撃後は艦近く海面着水、又は搭乗員落下傘降下させ乗員のみを収容する予定だった。この場合機体回収無論不可能である。一方潜水艦には予備魚雷予備爆弾装備され、状態によって再出撃も可能であった。ただし、唯一にして最後の出撃時は特攻予定されていた(後述)。 晴嵐は伊四百型の飛行機格納筒に納めるため、主翼ピン1本外すと前縁を下に90回転して後方に(歩行時に羽を胴につけているイメージ)・水平尾翼下方に、垂直尾翼上端は右横に折りたためる。フロート取り外されているが、機体近く置かれており短時間装着できるようになっているまた、暖機かわりに加温した潤滑油冷却水注入できるなどの工夫で、作業開始後約3分以内発進可能と言われている。伊四百型は晴嵐を3機搭載でき、潜水艦搭載時には既に雷装爆装していた。ただし、飛行機格納筒の一番奥に収納され3番機潜水艦甲板上で整備スペース限られているため、1番機2番機整備および射出完了後に、発進準備開始するこのため2番機発進後、20分後に射出予定だった。また(1番機)3分で発艦可能と言っても実際に搭乗員整備士技量よる。搭乗員の淺敦によると、最初のうちは3機発進完了まで20分以上かかっていたが、最終的に十数分に縮められたとの事。特に母艦自体上下に動振しているため発艦タイミング難しく艦首が下を向いている時に発艦すると、機体海面突っ込む事となる)、射出指揮官慎重に判断したこのように発艦には危険が伴ったので、搭乗員には1回発艦訓練につき6円の危険手当加算された。当時大卒初任給60円である。 潜水艦搭載のための折りたたみ構造高性能両立させ、またその任務により世界中で極端な話、北極南極でも)使用可能にするためジャイロスコープ装備するなど、非常に『凝った造り機体であった上に製造数少なかったため一機あたりのコスト高く零戦50機分相当すると言われた。後述のとおり、本機海軍兵器として制式採用されたことを積極的に立証できる法令存在しない

※この「試製晴嵐」の解説は、「晴嵐」の解説の一部です。
「試製晴嵐」を含む「晴嵐」の記事については、「晴嵐」の概要を参照ください。

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