試製四式曳光実包
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 15:15 UTC 版)
黄銅資源の節約のため、既に研究済みの鉄被甲普通実包(四式普通実包)と同一の被甲を用い、かつ曳光剤を収める内管をも鉄製とした曳光実包を完成する目的をもって試製した実包。 弾丸全長36mm、直径7.9mm、重量(実測値)約9.6g。被甲には薬莢鋼第二種、弾身には硬鉛第二種、内管には鋼板を使用した。内管の内部に硝酸ストロンチウムを主剤とした曳光剤0.8gと、過酸化バリウムを主剤とした点火剤0.4gが充填されている。装薬として四番小銃薬2.9gを装し、使用する薬莢および雷管は九二式普通実包と同一である。実包全体の長さは80mm、重量(実測値)は約23.1gであった。被甲および内管には防錆のためパーカーを施し、さらに黒色ワニスを塗抹する。本実包は各種7.7mm銃で共用できた。 本実包の試作・研究は、東京第一陸軍造兵廠、第一陸軍技術研究所、中外火工大和田製作所等で行なわれた。1944年(昭和19年)8月、同年11月、1945年(昭和20年)1月にわたって試験を行ない概ね実用に適すると認められたが、大量生産についてはなお研究の余地があるとされた。整備の必要があれば直ちに「四式曳光実包」(もしくは「五式曳光実包」)として制式制定上申を行なう予定であった。
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