訪中と尖閣問題に関する発言
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「鳩山由紀夫」の記事における「訪中と尖閣問題に関する発言」の解説
2013年1月16日、MSN産経ニュースは、中国に招かれた鳩山は中国外相に対し、尖閣諸島は日中間の係争地であると伝え、中国外相の同意を得た、と報じた。MSN産経ニュースは、中国が鳩山を招いたのは親中的な鳩山に中国の立場を吹き込み、政治的に利用する狙いがあったため、としている。第2次安倍内閣の防衛大臣小野寺五典はBSフジの番組で「理解できない。『国賊』という言葉が一瞬、頭をよぎった」と非難した。官房長官の菅義偉も「わが国の立場と明らかに相反する。首相経験者の発言として残念で極めて遺憾だ」と公式に非難した。2013年1月18日、菅直人は、前日に鳩山が訪中して尖閣諸島が日中間の「係争地」であると発言したこと及び南京事件を認めるような態度を示したなど、いずれも日本政府の見解に反し中国側のプロパガンダに有利になる言動を行ったとして、「元総理という立場を考えれば、意見を言うにもどこで発言するのか、誰に言うのか、マスコミに流れるように言うのか、それとも個人的に伝えるのか、そうしたことを考えて発言する必要がある」と苦言を呈した。 2013年6月25日に香港の鳳凰衛視で放送されたインタビューで、沖縄県・尖閣諸島について「中国側から日本が盗んだと思われても仕方がない」と中国の主張の法的根拠カイロ宣言に一定の理解を示す発言をし、改めて日中間の領土問題のある「係争地」であるとの認識を示した。また、棚上げ合意に関して「文書ではないが、41年前に周恩来首相と田中角栄首相の間で合意したのは事実だ」と主張した。同日、これら一連の発言について菅官房長官は「我が国の首相を務めた人が、日本の領土の主権を揺るがせるような発言をすることは国益を著しく損なう」とコメントした。それに対して同日、鳩山は「中国側がそういう判断するというふうな可能性があるということを申し上げた」とコメントした。更に「ポツダム宣言に書いてあるでしょう。固有の領土は、北海道、本州、四国、九州。それが固有の領土だと。日本は戦争に負けて、それが固有の領土になったんです。この4つの島が固有の領土なんですよ。そのあとは連合国軍が決める島なんですよ、残念ながら」と続け、「(菅官房長官ら非難者たちに対しては)もっと勉強して欲しいと思います」と述べた。2013年7月、尖閣に関する発言について、民主党より常任幹事会名で抗議声明が発表される。 2021年8月19日に人民網日本語版で程永華元駐日中国大使との対談が公開されたが、この対談において鳩山は、中国共産党による人権侵害の件には全く触れずもっぱら中国の経済成長と日中間の経済協力を強調した上で、「過去一世紀を振り返ると、日本による不幸な侵略があった。そういったものをはじめ、中国は極めて大きな困難に直面したが、その度に、中国の共産党が人民とともに困難を克服してきた。そのことに対して最大限の敬意を表する」と述べ、共産党が領導する中国の体制を賛美した。
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