記号関係とは? わかりやすく解説

記号関係

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/09 04:24 UTC 版)

チャールズ・サンダース・パースによる記号の要素とクラス」の記事における「記号関係」の解説

記号関係とは、存在そのものあり方ではなく、関係の中での存在あり方である。つまり、それ自身としてではなく、他のものに対すなんらかの関係である。記号役割は、以下の3項内の1つ役割構成している:すなわち、対象記号解釈項の3項である。この三項関係はこれ以上には還元できない事物がなかったとしても、三つ役割区別される役割3つだけである。ある対象記号は、解釈項を導く。解釈項は記号としてさらなる解釈項を導く。いろいろな関係において、同じ事物が、記号であったり、記号論的な意味での対象であったりする。記号とは何かという問いは、記号関係の概念依存している。さらに、その記号関係は、三項関係の概念依存している。そうすると今度は関係そのもの概念依存することになる。パースは、関係の非還元性という数学的思想基づいて二項的・三項的・四項的な関係を考えている。パースReduction Thesis によれば(a)三項関係が必然的である。なぜなら、真正の三項関係は単項的や二項的な修飾句では完全には分析できないから。さらに(b)三項で十分である。なぜなら、三項以下の関係性還元可能でないような真正の四項的もしくはさらに多項的な関係は存在しないからである。パース他の研究者、特にロバート・バーチ(1991年)、およびヨアヒム・ヘレス・コレイアとラインハルト・ポッシェル(2006年)はReduction Thesis対す証明示している。パースによれば真正の単項関係の述部典型的に性質表現する真正二項関係作用または抵抗となる。真正の三項関係の述部表象または媒介となる。従って、パースの関係の理論は、彼の3つの基本カテゴリからなる彼の哲学理論をも支持している。 外延x内包=情報。記号関係の2つ伝統的なアプローチは、必要であるが十分ではないものではあるが、外延よるものと、内包よるものである。外延は、記号対象、また幅や、指示適用などと呼ばれる内包は、対象特徴品質記号によって参照され属性、また深さ、意味、意義含意などと呼ばれる物である。パースはこれに第三のもの、つまり情報よるもの付け加える。情報変化することもあり、また他の2つアプローチを、統一され全体へと統合するためのものである。たとえば、上の式から導かれることとして、もし情報総量が同じであり続けるならば、その述語が、対象について、内包することすなわち意味すること多くなればなるほど、その述語適用される外延少なくなる命題理解その意味かかっている。 決定関係。記号は、その対象どのように表象するかということで、対象依存している。対象は、記号作用するようにし、またある意味記号決定するこのような物理的因果論意味合いは、記号指標的な反応関係にある場合に特によく現れる解釈項は、記号対象両方依存する対象は、その解釈項を決定することによって、記号決定する。しかしこのような決定関係は、一列ドミノみられるような、二項的な出来事連鎖によるのではなくて、三項関係によるものである。例えば、解釈項は、対象によって表象されるなんらかのものを、単に示すだけではなくて対象表象する記号として解釈項がなんらかのものを表象する。これがまさに情報的決定関係である。つまり単なる決定論表現よりもより多くなんらかのものを示すことになる。パースは、determine という単語厳密に決定論的意味で使うのではなく特定もしくは bestimmtの意味使った。そこには、影響のような測定上の変異含まれている。パース記号対象解釈項を、表象観念によってではなく、三項の決定様式によって、定義するようになったというのも表象自体が、定義されるべきことの部分であるからである。対象は、また別の記号(つまりは解釈項)を決定することによって、記号決定する。そして、解釈項は、記号対象関係付けるのと同様のやり方で、対象関係付ける。このことによって、解釈項は、対象対す記号として機能するとともに、さらに別の解釈項記号決定する。このプロセスが、論理的に構造化されて連続的に続くことにより、記号対象解釈項を一般的に決定するものとなる。記号過程において、あらゆる記号は、解釈項が前後広がった連鎖となっている。情報論理決定関係は対象記号解釈項を限定するものであり、因果論的または物理的な決定関係のような特殊な場合よりも、さらに一般的なのである一般的には、記号関係の項目のひとつに関するなんらかの情報は、他の項目に関する何かを伝えるものである。もちろん、この情報実際量は、ある種の記号関係では、ゼロ有る場合もあるのだが。

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