装備の開発および製造
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「ドイツ海軍小型戦闘部隊」の記事における「装備の開発および製造」の解説
ドイツの特殊潜航艇開発 ヘヒトHecht1944年5月 -ビーバーBiber1944年5月 -モルヒMolch1944年6月 -ゼーフントSeehund1944年9月 - ドイツ海軍における最初の特殊潜航艇ヘヒトは、鹵獲されたX艇の情報を基に設計された。ヘヒトは魚雷やリムペットマインを搭載、使用することが可能だった。1943年11月21日、ベルゲン沖で作戦行動中だった英海軍ウェルマン潜水艦(英語版)W-46号は漁網が絡まったことで浮上を余儀なくされ、ドイツ海軍の巡視艇によって無傷のまま鹵獲された。ヘヒトに次ぐ第2の特殊潜航艇ビーバーはW-46号の情報を基に設計された。以降の特殊潜航艇は、いずれもヘヒトとビーバーを基に開発されていくこととなる。ビーバーと同時期、ドイツ海軍における最初の人間魚雷ネガーの開発が行われていた。リヒャルト・モーア(Richard Mohr)が設計した1人乗り人間魚雷の量産は1944年3月18日にヒトラーの承認を得た。また、この際にヒトラーは50隻の特殊潜航艇も同時に製造するようにと命じている。 モーアはG7魚雷を始めとする既成装備の構造を参考にしつつネガーの設計を行い、1944年3月に最初の試作品が完成した。この試作品はエッカーンフェルデ(ドイツ語版)にてヨハン=オットー・クリーク(ドイツ語版)中尉による運用試験を受け、潜水能力の欠如など複数の問題点が指摘された。しかし、海軍総司令部ではネガーの簡素な設計を評価して、まもなく「実戦配備可」(frontreifen)と分類した。ネガーの最初の操縦士候補40名は陸軍および武装親衛隊から募集された。彼らには航海術や魚雷運用など関する特別教育が施された。こうした教育のためには海軍の練習船が使用され、例えば1944年6月15日からは練習船スピカ(元貨物船オルラ(ドイツ語版))が使用されている。演習は主に夜間行われたが、演習中にも技術不足から候補生に数名の死者が出ている。1944年8月、ハイエの許可を得たクリーク中尉によって第361K艇団(K-Flottille 361)の設置が行われた。 K戦隊に配備される小型戦闘装備は多くのメーカーによって製造された。その中には特攻艇や高速艇用のモーターを製造するイタリア企業もあった。しかし1944年になるとパルチザン活動の激化と戦線後退の影響から、イタリア企業での十分な製造は行えなくなっていた。 K戦隊の装備を製造したメーカーと所在地 水雷研究所(Torpedoversuchsanstalt) - ズーレンドルフ(Surendorf) フレンデル=ヴェルケ(ドイツ語版) - リューベック DESCHIMAG(ドイツ語版) - ブレーメン ゲルマニア造船所(ドイツ語版) - キール ホヴァルツヴェルケ=ドイツ造船 - キール シーシャウ=ヴェルケ(ドイツ語版) - ケーニヒスベルク クレックナー=フンボルト=ドゥーツ=ヴェルケ(ドイツ語版) - ウルム ブーシンクNAG(ドイツ語版) - エルビンクおよびブラウンシュヴァイク ジンメリンク(ドイツ語版) - グラーツ パーカー(Parker) - ウィーン AEG - フランクフルト・アム・マイン アダム・オペル - リュッセルスハイム フォードヴェルケ - ケルン アルファ・ロメオ - トリノ フィアット - トリノ アンサルド造船所 - ジェノヴァ バリエット造船所(Baglietto) - ヴァラッツェ C.A.B.I. - ミラノ 小型戦闘装備の調達数 小型戦闘装備の調達数 艇種1944年5月1944年6月1944年7月1944年8月1944年9月1944年10月1944年11月1944年12月1945年1月1945年2月1945年3月1945年4月合計モルヒ – 3 8 125 110 57 – 28 32 – – – 363:182 ビーバー 3 6 19 50 117 73 56 – – – – – 324:182 ヘヒト 2 1 7 43 – – – – – – – – 53:182 ゼーフント – – – – 3 35 61 70 35 27 46 8 285:185 リンゼ 36 – 72 144 233 385 222 61 37 11 – – 1201:200 MTM – 10 45 – 50 58 50 52 83 – – – 348:200 SMA 1 16 3 4 3 7 6 7 16 – – – 63:200 ヒドラ – – – – – – – – 13 11 9 6 39:200 合計 42 36 154 366 516 615 395 218 216 49 55 14 2676
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