ようりょく‐そ〔エフリヨク‐〕【葉緑素】
クロロフィル
同義/類義語:葉緑素
英訳・(英)同義/類義語:chlorophyll, Chloride ion channel, voltage-gated
植物が緑色を呈する原因物質で、環状のポルフィリンにマグネシウムが配位した構造を持つ。何種類かの分子種が知られており、光合成における光エネルギーの受容体として作用する。
英訳・(英)同義/類義語:chlorophyll, Chloride ion channel, voltage-gated
植物が緑色を呈する原因物質で、環状のポルフィリンにマグネシウムが配位した構造を持つ。何種類かの分子種が知られており、光合成における光エネルギーの受容体として作用する。
「生物学用語辞典」の他の用語
化合物名や化合物に関係する事項: | クロム酸バリウム クロム酸鉛 クロム酸銀 クロロフィル クロロフルオロカーボン グリセロリン脂質 グルカゴン |
葉緑素 [Chlorophyll]
クロロフィルともいい、高等藻類を含む植物、単細胞藻類、藍藻(藍菌)、光合成細菌など光合成生物の葉緑体のチラコイド(光合成細菌ではクロマトフォア)に存在する緑色の色素。基本的な構造は分子の中心にマグネシウムが配位したポルフィリン環である。一般にはクロロフィルa,b,c,dがあり、細菌にはバクテリオ・クロロフィルa,b,c,d,eがある。多くの場合はタンパク質と複合体の形で存在する。クロロフィル aは光合成細菌を除く全ての光合成生物に含まれる。クロロフィル bは緑藻と高等植物に、クロロフィルcは珪藻のほか多くの藻類に、クロロフィルdは紅藻の一部の種に含まれる。
植物は光化学系I,IIとよばれる二つの色素集団をもち、それらの共同作用によって水を分解し、炭酸を還元して光合成を行う。それぞれの色素集団のある色素に補捉された光エネルギーは、次々に他の色素へ渡され、最終的に反応の中心にあるクロロフィルaへ渡される。そこで特定の酸化還元反応がおこり、結果としてATPが生成される。
植物は光化学系I,IIとよばれる二つの色素集団をもち、それらの共同作用によって水を分解し、炭酸を還元して光合成を行う。それぞれの色素集団のある色素に補捉された光エネルギーは、次々に他の色素へ渡され、最終的に反応の中心にあるクロロフィルaへ渡される。そこで特定の酸化還元反応がおこり、結果としてATPが生成される。
クロロフィル
(葉緑素 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/20 03:20 UTC 版)
クロロフィル(Chlorophyll)は、光合成の明反応で光エネルギーを吸収する役割をもつ化学物質。葉緑素(ようりょくそ)ともいう。
- ^ N. Wakao et al., "Discovery of Natural Photosynthesis using Zn-Containing Bacteriochlorophyll in an Aerobic Bacterium Acidiphilium rubrum", Plant and Cell Physiology 37, 889-893 (1996)., doi:10.1093/oxfordjournals.pcp.a029029
- ^ 渡辺正、小林正美、「亜鉛クロロフィルをもつ光合成生物がいた!」『化学と教育』 1997年 45巻 p.456-457. , doi:10.20665/kakyoshi.45.8_456, NAID 110001840605
- ^ 銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム(横浜市衛生研究所 - 食品衛生情報)
- ^ “クロロフィル”. 株式会社鹿光生物科学研究所. 2023年12月20日閲覧。
- ^ a b Chen M, Schliep M, Willows RD, Cai ZL, Neilan BA, Scheer H., "A red-shifted chlorophyll." Science. 2010 Sep 10;329(5997):1318-9. doi:10.1126/science.1191127
- ^ 大久保智司 (2012). “新しく発見されたクロロフィルf”. 光合成研究 22 (2): 80-86 .
- ^ “目に見える光がなくても大丈夫!?遠赤色光で光合成を行えるシアノバクテリアの秘密を解明 ~光化学系Iにおける、クロロフィルfの位置と機能の特定~”. 東京理科大学. 東京理科大学. 2020年5月9日閲覧。
- ^ 塚谷, 祐介; 民秋, 均 (2015). “近赤外光を吸収するバクテリオクロロフィル色素の生合成経路解明と応用”. Journal of Japanese Biochemical Society 87 (2): 234-238. doi:10.14952/seikagaku.2015.870234 .
- ^ 渡辺 正, 小林 正美 (1989). “クロロフィル類の精密分析”. 油化学 38 (10): 876-885. doi:10.5650/jos1956.38.876.
- ^ 古谷研 (2015). “海洋における植物プランクトンの生理生態と物質循環における役割に関する研究”. 海の研究 24 (2). doi:10.5928/kaiyou.24.2_63.
- ^ KEGG EC 1.1.1.294 EC 1.1.1.294
- ^ 片山脩 (1974). “食用色素の化学” (pdf). 有機合成化学 32 (8): 628-629. doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.32.620 .
- ^ Dennis Heldman, Daryl Lund (2006). Handbook of Food Engineering (second ed.). CRC Press Taylor & Francis Group. p. 201, Figure 2.19. ISBN 978-1-4200-1437-2
- ^ “Chlorophyll and Chlorophyllin”. 2018年3月27日閲覧。
- ^ “Chlorophyll‐bound Magnesium in Commonly Consumed Vegetables and Fruits: Relevance to Magnesium Nutrition”. Journal of Food Science 69 (9): 348, Table 1. (2004). doi:10.1111/j.1365-2621.2004.tb09947.x.
- ^ “各添加物の使用基準及び保存基準”. 厚生省 (H29.6.23). 2018年3月26日閲覧。
[続きの解説]
「クロロフィル」の続きの解説一覧
- 1 クロロフィルとは
- 2 クロロフィルの概要
- 3 種類と構造
- 4 性質
- 5 生体での役割
- 6 安全性
「葉緑素」の例文・使い方・用例・文例
- 私の祖母は葉緑素入りの健康食品を毎日食べている。
- 葉緑素のない状態で植物を成長させることで、日光を当てずに育てることにより行う
- 光を奪われることにより、葉緑素なしで発達した(特に植物の)
- 核分裂により生産される葉緑素のない単細胞、非細胞球形、渦巻き状の、あるいは棒状の有機体
- 葉緑素とフィコビリンをもって、真水や塩水に見られる光合成細菌
- 葉緑素に加えて青色色素を含んでいる主に光合成原核生物
- 細菌葉緑素を含む自由生活性でグラム陽性のピンクから紫がかった茶色のバクテリア
- 真の茎や根、葉などを持たない原始的な葉緑素を含む、主に水生の真核生物
- (葉緑素aと一緒に)紅藻に見られる葉緑素
- 茶色または黄色の色素で覆われた葉緑素をもつ、通常、淡水性の真核性藻類
- 顔料葉緑素とカロチンとキサントフィルを持つ藻
- 黄色い色素で覆われた葉緑素をもつ黄金鞭毛藻類綱門の藻
- 茶色と黄色の色素に覆われた葉緑素を持つ藻
- 緑以外他の色素には全然覆われない葉緑素を持ち、主にその澄み切った緑と鞭毛に特徴のある藻
- 螺旋葉緑素帯を含んでいる微小なフィラメントからなる淡水藻
- 葉緑素が赤または紫がかった色素で覆われている海草
- 葉緑素を含む植物のような鞭毛虫
- 葉緑素に関する、葉緑素である、または、葉緑素を含む
- 葉緑素と葉のない寄生性の巻きつき草本の属;ネナシカズラ
- 葉緑素以外の、通常黄色かオレンジのカロチノイドの色素を含む色素体
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。
- 葉緑素のページへのリンク