背景および概説とは? わかりやすく解説

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背景および概説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 09:20 UTC 版)

東方問題」の記事における「背景および概説」の解説

18世紀初頭までのヨーロッパ内での勢力均衡は、ブルボン家ハプスブルク家の間の大きな利害対立イタリアで調整することによって成り立っていた。中世以来分裂傾向にあったイタリア半島ヨーロッパ辺境位置づけイタリア半島すべてを直接支配する勢力排除することにより、この辺境で局地的な勢力均衡実現して利害調整し、全ヨーロッパ的な勢力均衡保っていた。ところが「東方問題」の期間には、1789年フランス革命その後ナポレオン戦争進展により国民主義風潮が全ヨーロッパ波及し国民国家求め意向無視してイタリア分裂状態とどめておくことは困難になってきた。ハプスブルク家オーストリア従来政策は、バルカン東欧方面への拡大中欧南欧ドイツ・イタリア方面への拡大との二方面の選択肢があった。しかし、イタリアで国民主義運動オーストリア影響力排除を望むかたちとなって現れドイツ方面への進出にはプロイセンという有力な対抗勢力存在した結局はドイツ帝国成立1871年)によりオーストリアドイツ統合からはずされ最終的にアウスグライヒ体制(すなわちオーストリア・ハンガリー帝国1867年成立)を形成するといったように、この時期通じて東欧大国目指す路線徐々に確となった。 一方で17世紀後半からピョートル1世のもとで近代化政策推し進めたロシアは、大北方戦争での勝利者となり(1721年)、積極的に黒海への南下図り同時にドナウ川沿岸にも影響及ぼそうとしていた。このことが、「東方問題」の時期には、同地域に影響拡大しようとしていたオーストリアとの利害対立生じさせた。 またこの期間、イギリス自国植民地インド媒介する地中海経路確保しようとしており、伝統的に地中海大きな影響力保持しているフランスイギリス対立する傾向にあったこのようなヨーロッパの状況背景に、オスマン帝国の支配領域めぐって東方問題」という外交問題発生した。「東方問題」が顕在化するのは、ロシア黒海沿岸アゾフめぐってオスマン帝国交戦した1736年露土戦争である。この戦争では、ヨーロッパ勢力均衡著しく損なわれるのを防ぐために紛争当事者以外が「東方」をめぐる紛争介入するという「東方問題」の基本的な構造現れた。以後東方」をめぐる数々紛争の解決にあたってオスマン帝国ヨーロッパ列強との外交によってヨーロッパ勢力均衡実現するという構造見られるようになり、「東方問題」はヨーロッパ近代外交主要な一角形成したギリシャ独立戦争1821年~)では、各国政府当初介入消極であったのにもかかわらず世論後押しによって主要な政治問題発展した。「東方問題」が最も活発化した時期考えられるのがクリミア戦争1853年~)で、「東方」において英仏ロシア全面的に軍事衝突し、これが戦後ヨーロッパ政治状況にまで大きな影響を及ぼすこととなった1878年ベルリン会議によって列強間の利害問題としての東方問題」に一応の決着つけられ1880年代ヨーロッパは「ビスマルク体制」のもとで一応の安定もたらされたかに思われた。しかし実際にバルカン諸民族はこのベルリン会議決着納得しておらず、バルカン半島紛争火種抱えてヨーロッパ火薬庫」でありつづけた

※この「背景および概説」の解説は、「東方問題」の解説の一部です。
「背景および概説」を含む「東方問題」の記事については、「東方問題」の概要を参照ください。

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