背景から事件発生まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 10:17 UTC 版)
「森の中の子供たち殺人事件 (ワイルドパーク)」の記事における「背景から事件発生まで」の解説
ニコラとカレンはイースト・サセックス州ブライトンの北部の町モールセクームに住んでおり、学校は違えど互いに唯一無二の大親友だった。1986年10月9日午後3時3分ごろ、下校したカレンは、レンジにかけた紅茶もそのままに足早に家を飛び出した。午後5時頃ニコラの母スーザンは、ローラースケートで遊ぶ二人を見かけた。一方、カレンの母ミシェルも「あまり遅くならないのよ」と声をかけたが、カレンは「ならないよ」とだけ返した。これが在りし日の娘たちの最期であった。 二人が両親に会ったその後、知り合いの14歳の少女は商店街で、「おうちに帰りなさい。大体、お母さんたちにどこに行くかちゃんと言ってるの?、(お父さんとお母さんが)心配するよ」と二人を叱りつけた。しかし、ニコラは「おいで、あっちの公園行こう」とカレンにしきりに食い下がった。ニコラが指差していたのはワイルドパークと呼ばれるエリアで、「悪いお化け(ブギーマン)が居るから遊んでは行けないよ」と父からきつく言われていたはずの場所であった。午後6時半を回る頃、二人は同じ通りの交番付近で目撃されている。同じ頃付近では、「ライトブルーに見える物」を被った姿のビショップが街灯に照らされて目撃されている。 実は同日ビショップは、ニコラの家に下宿していた人間に話を聞くため、ニコラの家に行っていた。ニコラはビショップに「あっち行って」と言い、彼のガールフレンドを「アバズレ」と罵っていた。 二人の両親は、娘が就寝時間になっても帰宅しないためパニックに陥っていた。カレンの母ミシェルは警察に通報した。警察と近隣住民により200人に上る捜索隊が結成された。ヘリコプターを用いて、ワイルドパークを上空から調べる捜査まで行われた。ビショップも捜索に加わり、彼の追跡犬はよく訓練されており、17000ポンドの価値があると主張した。二人の遺体は、捜索隊のメンバーにより翌日10日の昼過ぎに発見された。二人はその場凌ぎで掘ったと思わしき穴で眠るように亡くなっていた。検死の結果、窒息死であったことと、性的暴行を受けていた事が判明した。 ビショップは、捜査に深く関わろうとしたことから、容疑をかけられることとなった。遺体発見時、ビショップは警官とともにすぐさま現場に駆け寄った。しかし、その警官によれば、ビショップは二人がよく見える位置までは近づかなかった。 ビショップの話は多くの偽証や矛盾で満ちていた。探偵に昨晩の動きに関する質問をされた時、サセックス大学の構内から車を盗もうをとしていたのだと語った。また、新聞屋から新聞を買おうとしたが無一文だったとも主張した。その一方で、昨晩はガールフレンドの家に行くつもりだったが、大麻を買い帰宅したので行けなかったと説明した。また、発見時に少女らの首はまだ脈打っていたとして、証拠のすり替えの可能性を訴えた。しかし、前述の警官の証言によれば、ビショップは遺体に近づいてすらないのである。これらの一連の矛盾から、ビショップは殺人の疑いで10月31日に逮捕された。
※この「背景から事件発生まで」の解説は、「森の中の子供たち殺人事件 (ワイルドパーク)」の解説の一部です。
「背景から事件発生まで」を含む「森の中の子供たち殺人事件 (ワイルドパーク)」の記事については、「森の中の子供たち殺人事件 (ワイルドパーク)」の概要を参照ください。
- 背景から事件発生までのページへのリンク