ヘッドコーチ
(総合コーチ から転送)
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ヘッドコーチ(英語: head coach)とは、スポーツにおいて選手を指導するコーチの一番上に立つ役職。ただし、組織の区切り方によって位置づけは異なる[1]。
概要
スポーツのリーダーに与えられる肩書きとしては、監督、ヘッドコーチ、キャプテン、バイスキャプテン、ポジションリーダーなどがあるが、これらは組織の区切り方によって位置づけが異なる[1]。アメリカンフットボールなどヘッドコーチと「監督」の地位が分離しておらず同義で使われることもあれば[2][3]、野球・サッカーなど監督とヘッドコーチを別の役職となっている場合もある。これらは「監督」を「コーチ」の範疇に含めるかどうかの解釈に左右される(ヘッドコーチが別にいる場合、監督とコーチをまとめて「首脳陣」と表現することが多い)。
また、ラグビーユニオンでは、ディレクターとヘッドコーチを分ける場合がある。ディレクターは、クラブのユースチームからトップチームまですべて統括する一方で、ヘッドコーチはトップチームのみのを率いることが多い。日本国内では、ラグビーで、監督の下にヘッドコーチという役職を置いている場合は、本場のラグビーの慣習からではなく、日本プロ野球の監督の下にヘッドコーチがあるという一種の誤解から生まれているようである。[要検証 ]海外では、ディレクターとヘッドコーチを分ける場合あり、日本での監督とヘッドコーチの役割に近い場合が多い。
バスケットボール
特にバスケットボールの場合、「ヘッドコーチ」の立ち位置がより明確化されており、地位も高い。ただし、チームによってはヘッドコーチの上に「スーパーバイジングコーチ」「エグゼクティブコーチ」などの役職を置く場合もある[4]。また、基本的には各チームに必ず1人存在するが、ごく稀にヘッドコーチを置かず「アソシエイトコーチ」が代行的に指揮を執る場合もある(一時期の和歌山トライアンズが一例)。かつては他のスポーツ同様「監督」と呼ばれていたが、国際バスケットボール連盟(FIBA)により現場の指揮官を指す呼称として「ヘッドコーチ」と統一された。
バスケットボールの「監督」は「ゼネラルマネージャー」あるいは「総監督」とヘッドコーチの間に位置する役職を指すことが多い。ただし、学生などではヘッドコーチの該当者をそれまで通り「監督」と呼ぶケースが多い。
NBA
B.LEAGUE
B1 | |||||||||||||||||||||||||||
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東地区 | 西地区 | ||||||||||||||||||||||||||
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B2 | |||||||||||||||||||||||||||
東地区 | 西地区 | ||||||||||||||||||||||||||
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野球
野球では基本的に監督の次に立つ役職であり、主な役割としては作戦面を担当し、監督に状況に応じた助言を提供することである。また監督が出場停止や退場処分になったり、個人的な理由で試合に出場出来ない場合は監督代行を務める。ヘッドコーチのポストは必ずしも置かれる訳ではない。MLBでは日本のようなヘッドコーチはなくこれに近いものとして「ベンチコーチ」または「ダッグアウトコーチ」の役職が存在するが、どちらかといえば作戦担当に重きが置かれる。また、肩書きを「総合コーチ」「チーフコーチ」としているチームも見られるほか、チームによってはヘッドコーチと総合コーチの両方が存在しているチームもあり[5]、この場合はヘッドコーチの方が立場は上である。2009 ワールド・ベースボール・クラシック日本代表では伊東勤が「総合コーチ」に就任した。
日本プロ野球(NPB)
球団 | コーチ | 備考 |
---|---|---|
読売ジャイアンツ | 二岡智宏 | 打撃チーフコーチ兼任 |
阪神タイガース | (なし) | 藤本敦士総合コーチがヘッドコーチ格 |
中日ドラゴンズ | (なし) | |
横浜DeNAベイスターズ | (なし) | 進藤達哉ベンチコーチがヘッドコーチ格 |
広島東洋カープ | 藤井彰人 | |
東京ヤクルトスワローズ | 嶋基宏 |
球団 | コーチ | 備考 |
---|---|---|
オリックス・バファローズ | 水本勝巳 | |
福岡ソフトバンクホークス | 奈良原浩 | |
北海道日本ハムファイターズ | 林孝哉 | |
千葉ロッテマリーンズ | サブロー | |
埼玉西武ライオンズ | 鳥越裕介 | |
東北楽天ゴールデンイーグルス | (なし) |
サッカー
サッカーも野球同様、監督に次ぐ役職として置くことが多い。ただし、クラブによってはヘッドコーチ職を置く場合と置かない場合に分かれる。 また、代表チームの場合、「ヘッドコーチ」「コーチ」は監督を指す呼称として使われ、その下の役職は通常「アシスタントコーチ」と呼ぶ[要出典]。
Jリーグ
- 北海道コンサドーレ札幌:なし
- ヴァンラーレ八戸:東純一郎
- いわてグルージャ盛岡:高崎康嗣
- ブラウブリッツ秋田:なし
- ベガルタ仙台:なし
- モンテディオ山形:なし
- 福島ユナイテッドFC:なし
- いわきFC:なし
- ザスパクサツ群馬:氏家英行
- 栃木SC:鈴井智彦
- 水戸ホーリーホック:森直樹
- 鹿島アントラーズ:なし
- 浦和レッズ:なし
- 大宮アルディージャ:海本慶治
- 柏レイソル:布部陽功
- ジェフユナイテッド市原・千葉:小倉勉
- 東京ヴェルディ:なし
- FC東京:なし
- FC町田ゼルビア:村主博正
- 川崎フロンターレ:なし
- 横浜F・マリノス:マルク・レヴィ
- 横浜FC:増田功作
- Y.S.C.C.横浜:なし
- 湘南ベルマーレ:高木理己
- SC相模原:鷲田雅一
- ヴァンフォーレ甲府:望月達也
- アルビレックス新潟:なし
- カターレ富山:なし
- ツエーゲン金沢:関浩二
- AC長野パルセイロ:吉田悟
- 松本山雅FC:なし
- 清水エスパルス:阪倉裕二
- ジュビロ磐田:鈴木秀人
- 藤枝MYFC:なし
- アスルクラロ沼津:なし
- FC岐阜:田口貴寛
- 名古屋グランパス:なし
- 京都サンガF.C.:大嶽直人
- ガンバ大阪:和田一郎
- セレッソ大阪:小菊昭雄
- FC大阪:平野将弘
- ヴィッセル神戸:吉田孝行
- 奈良クラブ:なし
- ファジアーノ岡山FC:なし
- サンフレッチェ広島:横内昭展
- ガイナーレ鳥取:坂田和也
- レノファ山口:なし
- 愛媛FC:なし
- FC今治:なし
- カマタマーレ讃岐:上村健一
- 徳島ヴォルティス:米田徹
- ギラヴァンツ北九州:なし
- アビスパ福岡:なし
- サガン鳥栖:片渕浩一郎
- V・ファーレン長崎:安達亮
- 大分トリニータ:吉村光示
- ロアッソ熊本:財前恵一
- テゲバジャーロ宮崎:米田兼一郎
- 鹿児島ユナイテッドFC:なし
- FC琉球:なし
ラグビー
ラグビー日本代表や、企業などのラグビーチームの多くにおいて、ヘッドコーチ(HC)はコーチたちのリーダーとして現場(練習や試合)で指揮をとり、ゼネラルマネージャー(GM)はチーム強化に関する総合マネジメントを行う。
このような分業化により、親代わりのように各選手の面倒をみるそれまでの監督と異なり、たとえ日本文化に詳しくない外国人であっても、現場指揮だけに徹してヘッドコーチに専念することが可能になった。
日本代表では、2005年以降ヘッドコーチは外国人、ゼネラルマネジャーは日本人が担当している[6][7]。
アメリカンフットボール
日本の大学アメリカンフットボールチームにおいては、組織のトップとして総監督を置く場合がある。しかし、世界最高峰のアメリカンフットボールリーグであるNFLにおいてはヘッドコーチが現場指揮、指導のトップを意味し、野球における「監督」と類似の役割を担う。
脚注
- ^ a b 中竹竜二『リーダーシップからフォロワーシップへ』2009年、176-178頁。
- ^ 精選版 日本国語大辞典「ヘッドコーチ」の解説 コトバンク
- ^ 監督・コーチ編 - 監督・コーチに関する専門用語 ナリカタ(滋慶学園グループ)
- ^ “【Bリーグ】山形の新設ECに前秋田のクック氏、新HCの小関氏と2トップ体制”. スポーツ報知. (2017年7月5日)
- ^ 2018年の阪神タイガースが該当(ヘッドコーチは片岡篤史、チーフコーチは平田勝男。ただし片岡は打撃と、平田は守備走塁と、それぞれ兼任)。
- ^ JRFU. “日本代表ヘッドコーチに、エリサルド氏が就任|日本ラグビーフットボール協会|RUGBY:FOR ALL「ノーサイドの精神」を、日本へ、世界へ。”. www.rugby-japan.jp. 2021年9月30日閲覧。
- ^ JRFU. “日本代表チーム事業部ジェネラルマネージャーに太田氏|日本ラグビーフットボール協会|RUGBY:FOR ALL「ノーサイドの精神」を、日本へ、世界へ。”. www.rugby-japan.jp. 2021年9月30日閲覧。
総合コーチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 02:24 UTC 版)
総合コーチ(総合ヘッドコーチ、野手総合コーチ、総合ベンチコーチ、総合チーフコーチ、野手総合チーフコーチ、打撃総合コーチ、投手総合コーチ、守備走塁総合コーチ、総合特命コーチ、総合守備コーチ)は球団により異なるが、ヘッドコーチと同じように作戦面等で監督を補佐する球団もある。また、ヘッドコーチが投手出身者の場合に野手部門のヘッド格として務めるケースもある。また、投手全般または野手全般(打撃、守備走塁、バッテリー)を統括することもある。次期監督に向けて勉強するために監督の下で総合コーチを務めるケースもある。 2022年のNPBの総合コーチ セントラル・リーグ 球団一軍ファーム読売ジャイアンツ なし 安藤強(三軍総合) 阪神タイガース なし なし 中日ドラゴンズ なし なし 横浜DeNAベイスターズ 石井琢朗(野手総合) 万永貴司(二軍総合) 広島東洋カープ 東出輝裕(野手総合) なし 東京ヤクルトスワローズ なし なし パシフィック・リーグ 球団一軍ファームオリックス・バファローズ 小谷野栄一(野手総合) 福岡ソフトバンクホークス なし なし 北海道日本ハムファイターズ 金子誠(野手総合) なし 千葉ロッテマリーンズ なし なし 埼玉西武ライオンズ なし 小関竜也(野手総合)清川栄治(投手総合) 東北楽天ゴールデンイーグルス なし なし
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