米中対立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 03:00 UTC 版)
詳細は「米中冷戦」を参照 「米中貿易戦争」および「戦狼外交」も参照 中央軍民融合発展委員会の主任に就任して以降の中国は軍需産業を強化してアメリカ合衆国に次ぐ世界2位の規模となり、第一列島線重視・真珠の首飾り戦略を引き継いで南シナ海での人工島建設など中国の海洋進出を強硬に推し進め、中国が世界最大の海軍を保有しているとアメリカは警戒を強めた。 購買力平価(PPP法)によるGDPでは2014年に中国がアメリカを抜き(ただし発展途上国が高く出るPPP法は信頼性の点で疑問があり、従来の為替レート法に取って代われるものではないといわれる)、富裕層と中産階級の数でアメリカを超える一方、アメリカに莫大な対中貿易赤字をもたらし、経済力を高める習政権下の中国はアメリカとの貿易摩擦を引き起こして新冷戦・米中貿易戦争とも呼ばれることとなった。とりわけ新型コロナウイルス感染症の世界的流行が起きたトランプ政権後期頃からアメリカ政府が中国への批判を強めるようになり、米中対立が深まった。 2017年4月7日にマー・ア・ラゴにおいて、習とアメリカのドナルド・トランプ大統領が米中首脳会談を行ったが、その会話の内容をトランプ大統領が『ウォール・ストリート・ジャーナル』のインタビューで話し、習が「朝鮮半島は中国の一部だった」と発言したことを明らかにし、「習近平主席が中国と朝鮮半島の歴史について話した。数千年の歴史と数多くの戦争について。朝鮮は実は中国の一部だった」・「朝鮮は実際に中国の一部だった(Korea actually used to be a part of China)」・「習主席から中国と韓国の歴史について聞いた。北朝鮮ではなく韓半島全体の話だった。(中国と韓国には) 数千年の歳月の間多くの戦争があった」・「(習主席の歴史講義を)10分間聞いて(北朝鮮問題が)容易ではないことを悟った」と語った。 2020年アメリカ合衆国大統領選挙で11月7日にバイデンの当選確実報道が出ると、各国首脳は続々とバイデンに祝辞を贈ったが、習近平はしばらく祝辞を出さず、11月25日になってようやく出している。文面は「双方が衝突せず、対抗せず、相互に尊重し、協力とウィンウィンの精神」を堅持して「互いの不一致を管理する」ことを求めるというものであり、これは2016年にトランプに贈った祝辞をほぼ踏襲したものだったが、米中関係の悪化を反映して文字数が減った。 2021年1月20日にバイデン政権が発足してからも米中対立が終わる気配は無く、バイデンは習を専制主義者と名指しで批判し、「中国は世界のリーダーとなり、最も豊かで強い国になるという目標を持っている。私が大統領でいる限り、そうはさせない。」と述べている。また、貿易政策では対中関税を即時撤廃せず、トランプ前政権と中国の習政権が結んだ米中経済貿易協定についても順守を求めた。 2021年4月20日に習はボアオ・アジア・フォーラムでの演説で「新冷戦に反対する」と述べてデカップリング(切り離し)に警鐘を鳴らし、サプライチェーンの対中依存脱却を図るアメリカの政策を暗に批判した。
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