経済・貿易
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:33 UTC 版)
ハンザ商人は、北海・バルト海を中心にヨーロッパ内陸部や地中海地域までも活動範囲とした。特にイングランド王国では、ドイツ商人の果たした役割は大きく、ロンドン市民と同じ身分を与えられていた。 ハンザ同盟の扱う交易品としては、ブリュッヘを通じて貿易されるフランドルの織物のほか、バルト海のニシンが重要である。毎年、夏から秋にかけてのニシン漁期になると北ドイツの各ハンザ都市から北欧に向けてニシン買い付けの商船隊が派遣され、年間数十万トンのニシンが塩漬けにされてヨーロッパ各地に輸出された。またドイツ騎士団領からは木材、琥珀、ポーランド王国からは穀物、ロシア方面からは黒貂、熊、リスなどの毛皮が輸出された。 ハンザ商人は現金・現物による即時決済を中心とする堅実な商業活動を行っていた。それゆえ信用経済は発達せず、金融が発達したイタリア半島とは対照的に、銀行・保険などのシステムは未整備のままだった。そのため、リスクを分散させ多くの投資を集めることのできる船舶共有組合が発達した。
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