見立て殺人
筋書き殺人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 07:51 UTC 版)
「筋書き殺人」の典型として、ヨーク・ハッターが書いた探偵小説『(仮題)ヴァニラ殺人事件』の筋書き通りに殺人が行われるバーナビー・ロス(エラリー・クイーンの別名義)作『Yの悲劇』(1932年)がよく知られている。 また、アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』(1935年)もよく知られている。作品中でAの地名ではAの頭文字の人物が、Bの地名ではBの頭文字の人物がとABC順に殺され、その殺人現場には「ABC鉄道案内」がそれぞれの地名のページが開かれて置かれていたというもので、「ABC鉄道案内」とアルファベットそのものが見立てに用いられている。 日本では高木彬光の『呪縛の家』(1950年)が典型的で、「舜斎は宙を泳ぎて殺さるべし、澄子は水に浮かびて殺さるべし、烈子は火に包まれて殺さるべし、土岐子は地に埋もれて殺さるべし」の4つの予言に基づく連続殺人が描かれている。 他には横溝正史の諸作品がよく知られている。『獄門島』では有名な俳句に基づく連続殺人を扱い、『八つ墓村』では村の中で対(つい)として知られる「双子杉、博労、分限者、坊主、尼」に見立てられた殺人が、『犬神家の一族』では犬神家の家宝「斧・琴・菊(よき・こと・きく)」に見立てられた殺人が、それぞれ描かれている。
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