第2幕 聖灰の水曜日の夜明けから日没
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 05:27 UTC 版)
「ベンヴェヌート・チェッリーニ (オペラ)」の記事における「第2幕 聖灰の水曜日の夜明けから日没」の解説
第1場 聖灰の水曜日、チェッリーニのアトリエ、夜明け アスカーニオとテレーザはチェッリーニのアトリエで彼の帰りを待っている。修道士の行列が通過するとき、アスカーニオとテレーザは祈りに参加する。するとチェッリーニが、僧侶の変装のままで入ってきて、彼の逃走計画を詳しく説明する。チェッリーニは今、殺人のかどで指名手配されているので、テレーザとフィレンツェから脱出する計画であるが、アスカーニオは彫像を鋳造する義務をチェッリーニに思い出させる。そこにバルドゥッチとフィエラモスカが現れる。バルドゥッチは殺人者としてチェッリーニを非難し、フィエラモスカにテレーザとの結婚を約束する。 その後、教皇が彫像の進行状況を確認するために現れる。チェッリーニは言い訳をするが、教皇はチェッリーニらを解任し、教皇は別の彫刻家へ指名を与えることを決定する。チェッリーニはその時、彫刻の金型を破壊すると脅迫し、教皇の護衛がチェッリーニに近づくと、チェッリーニはハンマーを振り上げる。教皇はそこでチェッリーニに次のように提案する。チェッリーニがその日の夕刻までに彫像を完成することができた場合、教皇はチェッリーニの犯罪を許し、テレーザと結婚できるようになる、しかしチェッリーニが完成することができなかった場合、チェッリーニは絞首刑にされる、というものである。 第2場 聖灰の水曜日、チェッリーニの鋳物工場、夕方 アスカーニオの「私は悲しい」というアリアの後、チェッリーニは「荒れた山の上に」という歌を歌う。金細工たちの合唱が、ギター伴奏と鉄を打つ音を伴って聞こえてくる。フィエラモスカが2人の取り巻きを連れて到着し、チェッリーニに決闘を挑む。チェッリーニが受け入れ、その場で決着をつけることを要求するが、フィエラモスカは、チェッリーニの工場から離れて行うことを要求して、フィエラモスカ達は去る。 するとテレーザが到着し、アスカーニオの手にチェッリーニの長剣を見て驚くが、チェッリーニは彼が安全であることをテレーザに保証する。テレーザは一人となり、金細工たちは、賃金が支払われておらず、チェッリーニから何の指示も受けていないとの不満から、道具を置いて作業をやめる。テレーザは、賃金が最終的に支払われることを保証しようとするが、無駄に終わる。そこにフィエラモスカが現れる。テレーザはチェッリーニが死んでしまったと思い、気絶する。しかしそうではなく、フィエラモスカは金細工たちに、完全に仕事を中止するよう、賄賂を提供しようとしていた。この汚い行為は金細工たちを憤慨させ、フィエラモスカに対する怒りを露わにし、逆に彼らはチェッリーニへの忠誠心を主張する。そこへチェッリーニが現われ、金細工たちはチェッリーニを助けるために作業着を着用し、フィエラモスカにも作業着の着用を強制し、仕事を再開する。 夕方になり、教皇とバルドゥッチは彫像が完了したかどうかを確認するために到着する。フィエラモスカはそこで、フランチェスコとベルナルディーノが事前に確認しているように、金属不足で鋳造が完成できないことを公表する。バルドゥッチとフィエラモスカは、チェッリーニの差し迫った窮状に満足する。チェッリーニは祈りと絶望の瞬間に、アトリエ内のすべての芸術作品をも全て溶解炉に入れると言い出す。これにフランチェスコとベルナルディーノは仰天する。これが実行されると、高炉から爆発が吹き上がる。その後、溶けた金属が金型を充填するため次々に出現し、溶融炉に投げ込まれる。そして、鋳造が奇跡的に成功する。 舞台では、出来かけのペルセウス像が完成品に置き換えられるが、これが演出上の最大の見せ場になる。 バルドゥッチとフィエラモスカはチェッリーニの成功を認める。教皇はチェッリーニに約束通り恩赦を与え、チェッリーニとテレーザが結ばれる。オペラは金細工たちを賞賛する熱狂的な大合唱によって大団円となる。
※この「第2幕 聖灰の水曜日の夜明けから日没」の解説は、「ベンヴェヌート・チェッリーニ (オペラ)」の解説の一部です。
「第2幕 聖灰の水曜日の夜明けから日没」を含む「ベンヴェヌート・チェッリーニ (オペラ)」の記事については、「ベンヴェヌート・チェッリーニ (オペラ)」の概要を参照ください。
- 第2幕 聖灰の水曜日の夜明けから日没のページへのリンク