第2幕 プルースト的地獄のいくつかのイメージ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 07:10 UTC 版)
「失われた時を求めて (バレエ)」の記事における「第2幕 プルースト的地獄のいくつかのイメージ」の解説
序章(サン=サーンス『動物の謝肉祭』より「耳の長い登場人物」) 第8場 捕らえどころのないものに直面するシャルリュス男爵(ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン『弦楽四重奏曲第14番』) シャルリュス男爵は、ヴァイオリニストの青年モレルに思いを寄せている。男爵はモレルが有名になり喝采を浴びる姿を夢見るが、モレルは傲慢な笑みを浮かべて男爵を翻弄する。 第9場 不可能に征服されたシャルリュス男爵(サン=サーンス『ハバネラ』) シャルリュス男爵は、モレルを探して娼館に辿り着く。男爵はそこで、モレルが娼婦たちと戯れた挙句、別の男に裸体を晒しているところを目撃する。 第10場 シャルリュス男爵の地獄(サン=サーンス『英雄行進曲』) 第一次大戦下、パリのホテルの一室で、4人の兵士たちがカード遊びをしている。そこへシャルリュス男爵が現れ、後ろ手に縛られた状態で、自らの体を兵士たちに転がさせたり、鞭打たせたりする。 第11場 未知の世界の偶然の出会い(ドビュッシー『ハープと弦楽合奏のための舞曲』) 戦時下の夜、快楽を求める人々が、相手を探すためにパリの地下鉄の通路へと集う。3人の男性ダンサーと1人の女性ダンサーが体を絡め合って踊る。 第12場 モレルとサン=ルー、または天使の闘争(フォーレ『エレジー』) モレルとサン=ルーのパ・ド・ドゥ。サン=ルーはモレルの魅力に抗えず、彼との関係に絡めとられていく。 第13場 死についてのこの考え、現世は墓場の扉の裏側だと語り手には見える(リヒャルト・ワーグナー『リエンツィ序曲』) 大戦を経て社交界の様子は移り変わり、第1場で登場したヴェルデュラン夫人は今やゲルマント大公妃となって、尊大な態度で巨大な鏡の前を歩き回っている。舞台の隅には、第1場と同様に語り手が座っている。そこへ、衰退しつつある社交界の人々が、ロボットのような機械的な動きで登場する。さらに、語り手の心の中で蘇る記憶を反映するかのように、これまでの場面の登場人物たちが次々と舞台上に現れては消えていく。最後に語り手は、自分がこの物語の作者となることを示すかのように、観客に向かってゆっくりと両腕を広げてみせる。
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