第2幕 「コーンウォールにあるマルケ王の城中」
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「トリスタンとイゾルデ (楽劇)」の記事における「第2幕 「コーンウォールにあるマルケ王の城中」」の解説
前奏曲 光や昼の世界を表す「昼(光)の動機」が冒頭に示される。バス・クラリネットの「焦燥の動機」が展開され、その頂点でフルートが示すのが「歓喜の動機A」。これに「憧憬の動機B」、「歓喜の動機B」が加わる。これらは、トリスタンを待ちわびるイゾルデの心象風景である。 第1場 コーンウォール城内、王妃となったイゾルデの館前にある庭園。狩りに出かけるマルケ王一行が吹き鳴らす角笛(舞台裏のホルン)が聞こえてくる。イゾルデは、王たちの留守にトリスタンが密会に来るのを待っている。ブランゲーネは、マルケ王の狩りがメーロトの進言によるものであること、メーロトはトリスタンを疑っていると懸念するが、イゾルデはメーロトはトリスタンの親友だとして意に介さない。 第2場 トリスタンが転がるように走り込んできて、イゾルデと抱き合いながら愛の言葉を交わす。これより長大な「愛の二重唱」。ブランゲーネは「見張りの歌」で二人に警告する。なお、実演では「愛の二重唱」前半の「昼の対話」部分が342小節に及びカットされる場合がある。約15分間にわたるこのカットは、第3幕のトリスタンの長丁場のために、スタミナを温存させる配慮からなされたものである。後述の#録音について、ホラントによれば1951年のバイロイト・ライヴ以降、こうした短縮は基本的に禁じられた。。 「夜の国」を讃え、「愛の死」を歌い上げるトリスタンとイゾルデ。高揚する音楽がクライマックスを迎えたとき、突然ブランゲーネの叫び声が上がり、クルヴェナールが駆け込んできてトリスタンに逃げるよう告げる。しかし時すでに遅く、マルケ王とメーロトたち従臣が踏み込んでくる。 第3場 王の狩りは、トリスタンとイゾルデの関係を怪しむメーロトの密告に基づく罠だった。二人の裏切りを知ったマルケ王は長嘆しトリスタンに理由を問う。トリスタンは王に応えず、ともに「夜の国」へ行ってくれとイゾルデに話しかけ、イゾルデも「道を教えて」と応じる。メーロトがトリスタンに斬りかかり、トリスタンも剣を抜く。しかし、トリスタンはメーロトの剣にわが身を投げ出して重傷を負う。
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