第1回節度使とは? わかりやすく解説

第1回節度使

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 14:28 UTC 版)

節度使 (日本)」の記事における「第1回節度使」の解説

『続日本紀』第十一には、天平4年732年8月遣唐使多治比広成らの任命記事続けて正三位藤原朝臣房前東海東山二道節度使とす。従三位多治比真人県守山陰道節度使従三位藤原朝臣宇合を西海道節度使。道別に判官(はんぐゎん)四人主典(さうくゎん)四人医師(くすし)、陰陽師(おむやうし)一人。 とあり、さらに続けて以下のような詔を出した。「東海東山2道および山陰道諸国兵器牛馬は、何れも他所に売り与えてならない。これは一切禁断して国の境界から出させてはいけない。しかし、決まって公に進上する牧の牛馬この限りではない。ただし、西海道場合は『恒の法』にしたがえ。また節度使管轄する諸国軍団の、幕(ばく)・釜(ふ)が不足していることがあれば、今年中に京に進上する官物一部留保し、それを代金当てて購入し速やかに補充させよ。また、四道兵士は、令によって徴発し、人数国内正丁数の四分の一程度とせよ。その兵器は旧き物を修理して用いよまた、百石以上を積載することのできる船を造れ。また便宜図って、籾を造り、塩を焼け。また筑紫九州)の兵士は、課役何れも免じる。その白丁無位無官良民)は、調を免じて庸を納めさせる勤務年限多寡は勅の処分に従う。また、節度使以下、傔人以上のものには、何れも剣を佩かせる。その管下諸国の人は習得をすると、三色何れかにはいることができる。一つ博士で、生徒多少を以て三等とする。上等には田1町5段を給う中等には1町。下等には5段。ほかの2つ兵士で、毎月試験受けて、上等を得た人には庸の綿2屯を賜う中等には1屯」 また、山陰道節度使判官巨曾倍朝臣津嶋と、西海道判官佐伯宿禰東人に、外従五位下授けた、ともある。 天平4年節度使は、同年8月11日遣新羅使角家主帰朝6日後に設置されているところから、この時の遣新羅使情報により、唐・新羅渤海動向含めた国際関係緊張備え、西辺の武備堅固なものにする目的があったものと推定される山陰西海節度使直接西辺の防衛強化につとめ、東海東山節度使は、二回目の例から考えて西海赴任するべき東国兵士動員船舶準備などにあたったものと思われる。 なお、時代は下るが、『続紀』牧第三十六にある、宝亀11年7月光仁天皇の勅によると、 安きときにも危(あやふ)きを忘れぬ古今(こきむ)の通典なり。縁海(うみそひ)の諸国くにぐに)に仰せて、勤めて警固せしむべし。その因幡・伯耆出雲・石見安芸周防長門等の国は、一(もは)ら天平四年の節度使従三位多治比真人県守らが時のに依りて勤めて警固せよ。また大宰は、同年(おなじきとし)の節度使従三位藤原朝臣宇合が時の式に依るべし とあり、山陰山陽両道7国および大宰府管内について、天平4年節度使時の式により警固すべしとされており、天平時の山陰道節度使管轄区域山陽道安芸国周防国長門国まで及んでいたことも分かる。 『続紀』巻第十一によると、天平4年節度使は、「諸道節度使の事、既に訖(おわ)りぬ。是に国司主典已上をしてその事を掌(つかさど)り知らしむ」として、天平6年4月停止されている。これは海辺防衛兵力動員体制がいちおう完成したか、あるいは災異により人民負担軽減はかったためと考えられる。これに呼応して東海道東山道山陰道諸国牛馬売買をするのに、国の境を出て行うことを許す、とあり、諸国健児・儲士・選士田租あわせて雑徭半分免除するともある。

※この「第1回節度使」の解説は、「節度使 (日本)」の解説の一部です。
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