福田ますみとは? わかりやすく解説

福田ますみ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 23:47 UTC 版)

福田 ますみ(ふくだ ますみ、1956年5月5日[1] - )は、日本のジャーナリスト

略歴

神奈川県横浜市生まれ。立教大学社会学部卒業後、専門誌業界、編集プロダクションを経て、フリーライターとなる。

犯罪、ロシアをはじめとしてさまざまな分野で取材をおこなう。『正論』や『新潮45』などの雑誌記事を多く手がけ、単行本も執筆している。

全国報道された「教師によるいじめ」の事例での福岡で起きたモンスターペアレントによるでっち上げ疑惑を取り上げた、『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』で、2007年に第6回「新潮ドキュメント賞」を受賞する。2016年には、「新潮45」で連載した「モンスターマザー 長野・丸子実業高校『いじめ自殺』でっちあげ事件」で、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞した[2]

人物・主張

福田は自身の著書でポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)について、そのルーツがマルクス主義にある可能性に言及、支持しているのは左翼活動家だけに過ぎないとし、その思想的根幹にマルクス主義の亜種である「文化マルクス主義」があると論じた。また、文化マルクス主義者は、家庭の解体のため家父長制一夫一妻制からの脱却、性の解放の提唱、宗教や伝統文化、地域社会の崩壊も目論んでいると主張した。

福田は旧統一教会系の『世界日報』編集委員の早川俊行の「左翼に乗っ取られた米国の現状」についての取材を評価し、ポリコレについて「左翼の価値観にそぐわない意見を封じ込める思想警察であり、言葉狩りそのものです」と論じた早川の主張を肯定的に引用した[3]

福田はブラック・ライヴズ・マター(BLM)の背後には共産主義者の影響があると論じ、BLMの関連組織に毛沢東主義者の中国マネーが入り込んでいると主張する『世界日報』編集委員の早川の陰謀論的な見解を肯定している引用した[4]

同書では『世界日報』の記事が複数引用され、世界日報社の『トランプ超保守改革 神と自由を取り戻す!』も参考文献に挙げられている[5]

著作

  • 『されど我、処刑を望まず ―死刑廃止を訴える被害者の兄』現代書館、1998年、ISBN 4-7684-6738-5
  • 『スターリン家族の肖像』文藝春秋社、2002年、ISBN 4-16-358160-X
  • 『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』新潮社、2007年、ISBN 978-4-10-303671-5
    • (文庫版)『でっちあげ: 福岡「殺人教師」事件の真相』新潮社、2009年、ISBN 978-4101311814
    • (田近康平によるコミカライズ版)『でっちあげ』新潮社、バンチコミックス、2020年6月 - 2021年11月、全4巻
  • 『暗殺国家ロシア: 消されたジャーナリストを追う』新潮社、2010年、ISBN 978-4103036722
    • (文庫版)『暗殺国家ロシア ―消されたジャーナリストを追う―』新潮社、2013年、ISBN 978-4101311821
  • 『モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』新潮社、2016年、ISBN 978-4103036739
    • (文庫版)『モンスターマザー: 長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』新潮社、2019年、ISBN 978-4101311838
  • 『ポリコレの正体 「多様性尊重」「言葉狩り」の先にあるものは』方丈社、2021年、ISBN 9784908925863

脚注

  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.463
  2. ^ 高1自殺の原因は“いじめ”ではなく“母”だった 〈学校を破壊するモンスターマザーの傾向と対策(1)〉「週刊新潮」2016年4月7日号
  3. ^ 福田ますみ「ポリコレの正体 「多様性尊重」「言葉狩り」の先にあるものは」方丈社、2021年。 ISBN 9784908925863 P18~72
  4. ^ 福田ますみ「ポリコレの正体 「多様性尊重」「言葉狩り」の先にあるものは」方丈社、2021年。 ISBN 9784908925863 P106~177
  5. ^ 福田ますみ「ポリコレの正体 「多様性尊重」「言葉狩り」の先にあるものは」方丈社、2021年。 ISBN 9784908925863 P285~286

福田ますみ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 02:44 UTC 版)

福岡市「教師によるいじめ」事件」の記事における「福田ますみ」の解説

福田2003年11月下旬福岡入り取材開始学校周辺での聞き込み行い保護者学校児童らを取材した。さらに、教諭本人懲戒処分行った市の担当者児童らの代理人弁護士児童らの親族にも取材し、『新潮452004年1月号記事投稿その後裁判傍聴 などの取材重ね、『中央公論2006年1月号も本事件記事発表した第1審判決後2007年1月に、取材経緯をまとめた書籍でっちあげ』を刊行教諭の身の潔白訴えた同書同年第6回新潮ドキュメント賞受賞同書刊行後福田本事件取材続け2010年1月刊行の『でっちあげ新潮文庫版では、巻末控訴審レポート追加されている。 さらに、2013年1月なされた教諭対す懲戒処分取消裁決についても雑誌記事書き、また新潮社ウェブサイト報じた福田によれば本事件真相次のとおりである。報道されたような教諭の「いじめ」や「体罰」は実際に行われていない。裁判所が「相当軽微」ながら教諭体罰認めたのも、すでに教諭のいじめを認めて懲戒処分下していた市側が、裁判において事実関係一部を争わなかったからである。しかし、市教委認定した教諭のいじめの事実は、市人委員会によって否定された。このことは、訴訟において市が前提としていた事実覆ったことを意味する。したがって判決の内容事実上無効となったといえる。 さらに、児童側の言い分一方的に報じたメディア問題にも言及。『でっちあげ』では本事件報じた朝日新聞西日本新聞毎日新聞・『週刊文春』の記者らにも取材行った偏向報道原因として、福田は以下の点を指摘している。本事件起こった2003年当時教師らはモンスターペアレント代表される学校に対して強圧的な態度をとる保護者頭を悩ませていたが、マスコミはこういった現状認識していなかった。そのため、校長教育委員会早々に「いじめ」の事実認めた本事件では、教諭によるいじめがあったものと即断してしまい十分な裏付け取材を行わなかった。もしも、取材基本忠実に聞き取り取材行って当事者人となり評判把握していれば、当初のような一方的な報道にはならなかったはずである。

※この「福田ますみ」の解説は、「福岡市「教師によるいじめ」事件」の解説の一部です。
「福田ますみ」を含む「福岡市「教師によるいじめ」事件」の記事については、「福岡市「教師によるいじめ」事件」の概要を参照ください。

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