石黒信由関係資料
主名称: | 石黒信由関係資料 |
指定番号: | 24 |
枝番: | 0 |
指定年月日: | 1984.06.06(昭和59.06.06) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 歴史資料 |
ト書: | |
員数: | 3764点 |
時代区分: | 江戸 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 富山県新湊市に所在する財団法人高樹会管理に係る高樹文庫には、江戸時代後期の和算家、測量家として著聞する石黒信由(一七六〇-一八三六)及び二代・信易、三代・信之、四代・信基に至る石黒家累代の相承になる遺品類が一括して伝存している。 今時の指定は、これら四代の一括遺品の中から初代石黒信由の学問研究の跡を伝える自筆著述稿本類、実学として発展させた検地、測量、地図仕立に関する記録類、及び実測に基づいて作製された地図類を中心としている。 石黒信由は、宝暦十年(一七六〇)、越中国射水郡高木村に生まれ、高樹、松香軒と号し、天明四年(一七八四)高木村肝煎役に就き、以後射水郡田地割分地人誓詞役、同郡年寄列等を務め、村政に携わるかたわら算学を中田高寛、天文、暦学を西村太冲、測量学を宮井安泰に学び、金沢藩の命を受けて加越能三州図を完成した。 著述稿本は、(一)和算書、(二)天文、暦、測量術書、(三)目録、覚書に種別され、代表著作『算学鉤致』のほか、三角関数、対数に関する研究を存している。記録類は、地図類と極めて関連を持つもので、検地、田地割、新田開発の事情、及び地図作製の経緯等を具体的に詳述したもので、分間野帳、地図仕立帳等を存している。地図類は、いずれも実測に基づいて作製されたもので、その内容は、(一)国図、(二)郡・村図、(三)往還道図、(四)用水図、(五)海岸図等に類別される。作図の制作過程からみた種類は、(一)清図、(二)下図、(三)切下図の三種からなり、その特徴は清図に多数の下図、切下図を併せ伝え、かつ信由の原図に信易、信之、信基が校正、加筆、訂正を加えていることで、凡例、縮尺、注記を明示するなど極めて精確なものである。 近世学者の関係遺品としてこのように統括的にまとまって現存する遺例は稀で、算学、測量学研究上に注目される。 |
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