石川道場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/25 10:04 UTC 版)
石川義信 道場の師範。剣道の実力は近衛師団の師範に推挙されたほどで、日本一とも言われる。正義漢で、「悪の栄えた例はない」と真面目に考えている。 前原一刀 師範代でみんなの兄貴分。関東一円に鳴り響いた剣士だったが、真っ直ぐな性格のため立身の道を失い、米問屋の用心棒にまで堕ちるが、義信の謦咳に触れて情熱を取り戻す。やがて倉敷の大地主に道場を贈ると言われるが道場主に義信を推して自らは師範代となる。乱戦には鬼神の如く強い。新門えんとは恋仲だったが結ばれず、のちに「お紺」と結婚する。 中川政次郎(雲龍の政次郎) 卅前ばかりだが我慢のきいた「涼しい男」。雲をつき抜け空へ昇る龍の図柄の刺青を入れている。その見事さは怪我の治療に当った赤木医師が「この刺青を殺すのは忍びない」と唸ったほど。短刀の遣い手として右に出る者はいないが道場で下男をしながら義信の教導を受けることに人生の喜びを見出す。弟に網走で服役している止三郎がいる。 中川止三郎(風虎の止三郎) 政次郎の弟。兄と並んで雲竜風虎と称せられる遣い手。網走に服役していたが、出所して親分の金助から倉敷へ行かされ、そこで日下に連れられて高松に渡る。 石川雪乃 義信の娘。父親似のまっすぐな性格。怪我をした政次郎を道場へ連れてくる。 木更津の伸三郎 新門一家の若い衆だった。短刀の遣い手としては、政次郎、止三郎と並ぶとされるが、義信と出会い足を洗って倉敷で小料理屋を開く。 忠七 大男で馬鹿力の持主。山岡組の若い衆だったが、渡世人には向かないと言われて道場の手伝いにやられる。小石などの礫(つぶて)を使う。子供好き。 井田宗次郎(夜烏の法宗) 山岡組の若い衆だったが、弁護士の書生をしていたことがあり頭が切れて弁舌さわやかな好男子。「やくざ」に見えないと「夜烏」(よがらす)と呼ばれていた。足を洗って石川道場で会計役を務める。 中瀬半伍 警官だったが、法の網をくぐる悪党を捕まえずに弱い人間をいじめる仕事に耐え切れず道場の門下生になる。県下でも屈指の実力者。 久米太 水島灘の漁師の息子。丸顔の愛嬌のいい男だが筋骨逞しい暴れん坊。政次郎を兄と慕う。 岡部城吉 沖縄から、紡績工場で働いている姉を探しに来た青年。子供の頃から唐手を仕込まれている。山本一家とぶつかるが、政次郎はじめ石川道場の面々に助けられる。 有本富介(塩飽の富) 尾道の漁師の倅で、寝島の五六蔵の下っ端。飲み屋で働いているお路に惚れていたが、お路を一刀に助けられ、道場に押しかけて弟子になる。塩飽の海賊の子孫。 有吉俊介 岡山の土建屋の息子。根性を直すために、備前屋の紹介で親に連れられてきて道場に預けられる。 伊織 伊賀の末流の若者。 流山の銀次 松江で顔の傷と片手が無いために鉤手と間違われたところを、政次郎に助けられる。 遠井一人、二人、三人 浜田の回船問屋遠井屋の三兄弟。父を鉤手に殺されて、仇討ちを狙う。 東田町龍人 岡山の酒屋銀泉の若旦那で、居合いの達人。石川道場に立ち会いを望んで来る。 新一(縄小僧) 親を鉤手に殺されて仇を討とうとするところを、間違えて義信の名古屋の宿所に忍び込む。分銅を付けた縄を遣う。 隆信 銀蔵から、やくざにはもったいない男だと道場に送り込まれてきた。元鉄工所務め。 篠村紺 悪党に狙われていたときに銀蔵と一刀に助けられ、倉敷に来て道場を手伝うようになる。後に一刀と結ばれる。 備前屋(良太郎) 岡山の旅館備前屋の亭主。正義漢で、米価が上がり出してから、幼馴染みの米問屋から米を安値で買い込んで貧乏な者に安く売っている。義信はかつて備前屋に泊まった縁で家を借りている。 永三郎(七福) 名古屋の旅館七幅の亭主。備前屋の妻おくみの弟。岡山にいられなくなった義信を世話するが、名古屋で米騒動が起きた時に、巻き込まれた義父の喜造を義信に助けられる。 新門えん 浅草の新門一家の娘。神田の道場にいた一刀を追って家を飛び出す。名古屋のビヤホールで働いている時、米騒動の乱闘で義信と顔見知りになる。 奥村千 大阪の古流の武道家奥村養心の娘。鉤手の一味に殺された父の仇を討とうと、石川道場に身を寄せる。 宮脇忠義 棒術の遣い手で、名古屋の築港工事の左官をしていたが、児島湾埋め立て事業の手伝いを義信に頼まれる。 榛名畯 棒術で著名な伊勢の榛名三郎兵衛の三男で、宮脇の弟子。名古屋で車夫をしているところを義信に出会う。 本庄松太 酒津の絵師の息子。奉公先で暴れて捕まり、母のおろくが義信に頼んで道場で引き取るが、たびたび厄介ごとを引き起こす。 ゴリ造 糞力の持主の大男。相川組に借金をして潰された東馬兵庫の家で育てられていた。東馬の仇を討とうとして暴れているところを、石川道場で引き取る。 岩崎 県の設計技師。埋め立て工事の設計をするが、相川組に脅される。 お駒 宮脇のかつての妻で、今は興除村の旅館俵屋の文蔵の女房。 佐藤英介 六高の前の井筒食堂の息子で設計技師。東京湾の埋め立ての仕事をしていたが帰郷している。 赤城 石川道場かかりつけの医師。
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