特撮とロケなど
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 04:10 UTC 版)
東京駅ホームの階段を、バンド仲間と昇る東郷あきら(岩城滉一)のシーンは、東映東京撮影所の中庭に東京駅の原寸大のプラットホームを建てたが、東京駅全景のカットは盗み撮り。新幹線運転司令室は、同撮影所の最大のステージにセットが組まれ、中央部に実際に使われていたものと同じCTC表示板が鎮座し、他のステージの多くも本作撮影用に占拠された。「岡田社長が京都か東京のどちらかの撮影所を潰すと言っている」という信頼性の高い情報が駆け巡ったため、東京撮影所の存続を賭け、多くのスタッフが本作製作に志願した。裏ルートで取材を行い、実物大の客車セットや模型を作り、撮影を進める。急ピッチで撮影に入るが、実質、撮影に充てられる期間は5週間程度だった。当時のニュース映像や資料写真を参考にしたり、色々な手を使って本物そっくりのセットを作りあげた。このため、国鉄からは3年間出入り禁止となった。特撮部分に総額6000万円をかけている。 また、鉄橋の下での撮影などは『新幹線大爆破』というタイトルでの申請では門前払いを喰らうので、『大捜査網』というタイトルのシナリオを30部ほど印刷して、ロケ交渉ではそちらのシナリオを先方に渡し許可を取った。蒸気機関車9600型の走行シーンは、東映が200万円で北海道炭礦汽船真谷地炭鉱専用鉄道から購入。貨物5790列車の走行シーンは、北海道炭礦汽船真谷地炭鉱専用鉄道で行い、国鉄ではないために撮影が可能だった。爆破シーンは、北海道炭礦汽船夕張鉄道線の一部を引き継いだ夕張市若菜の専用線で1975年6月10日に撮影された。事前に陸運局や警察署、消防署など関係当局に許可を取り、大平火薬から専門家を招き、4台のカメラで撮影した。貨物に乗っている人たちのシーンは爆破箇所とは別の北海道炭礦汽船真谷地炭鉱専用鉄道で撮影。5790列車は、当時夕張線に実在し、実際に蒸気機関車が牽引していた。北海道夕張の貨物駅シーンも熊谷市の秩父鉄道広瀬川原車両基地を用いた。線路が見えるところや車両基地、古賀勝(山本圭)が線路を渡って逃げていくシーンは、西武鉄道の協力によるものだった。古賀が線路を渡って逃げるシーンは、都営地下鉄三田線の志村車両検修場構内。犯人グループのアジトがこの近辺に設定されたのは、1970年代初頭までここは小さな町工場が密集し、過激派や学生運動の闘士が多く住んでいたため。織田あきら扮する大城浩が売血するシーンは、佐藤の学生時代の実体験で、1970年代初頭までは、貧乏な者がまだ売血で金を得ていた。刑事の前を横切る電車は、都営地下鉄6000形である。その後、西台駅1番ホーム、東口改札口まで刑事が追跡する。青木義朗扮する千田刑事が身代金入りジェラルミン7号トランクを掲げてヘリを北上し、埼玉県の寄居桜沢高校グランドに着陸したあと野上駅のツ46番という荷物はトランシーバーだった。駅前交番でこのことを聞いたシーン。設定では野上駅交番となっているが実は寄居駅前である。
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