渋谷区役所建て替えプロジェクト
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「渋谷区役所」の記事における「渋谷区役所建て替えプロジェクト」の解説
区は東日本大震災の発生を受け、老朽化していた庁舎と渋谷公会堂の耐震調査を行った所、特に庁舎は震度6強の地震で倒壊する危険性が高いことがわかった。調査結果を踏まえ、区は2012年に庁舎の耐震性を高めるため、建物と基礎の間にゴムを挟む免震工事を一時検討したが、その工事を行う場合、地下のスペースが使えなくなるなどの問題点が指摘されていた。 このため、2013年2月に桑原敏武区長(当時)が、『施設の老朽化と震災対策のため、庁舎及び公会堂を解体し、建て替えたい』との方針を表明。整備手法として、敷地内にほぼ同じ規模の庁舎と公会堂を建て、一部の土地に定期借地権を設定し、マンションかオフィス用地として貸し出し、地代を建設費に充てるとの計画を明らかにした。その後、区議会に特別委員会が設置され、庁舎と公会堂の今後についての検討を重ねた結果、9月の区議会本会議に於いて『渋谷区役所庁舎及び渋谷公会堂の建て替え』について賛成多数で可決された。 これを受け、区は最適な条件で新庁舎・新公会堂を建て替える提案を公募し、三井不動産、三井不動産レジデンシャル、日本設計の3社による事業主体を特定した。事業者の提案は、区所有地の一部に対し約77年の定期借地権を設定し、事業者がその権利金相当額を新庁舎・新公会堂の建設費等に充て、実質的に建設にかかわる費用を0にするというスキームであり、このようなコラボレーションによる事業スタイルは提案当時前例のないものだった。工事に先立って、2015年10月25日から11月3日まで、旧庁舎を活用したデザイン・アートイベント「シブヤのタマゴ ~区役所解体。ラストフェスティバル」が開催され、期間中、建物外観が特大の「COLORS」のカラフル文字で彩られた。 新庁舎は公園通りから少し控えた位置、街区内の新しい東西・南北の連なる街路の結節点に地下2階・地上15階建てで建設され、渋谷の文化的な特性を抽出したカラーパレットで外壁がデザインされ、2019年1月15日に開庁した。次いで、公園通り側にホワイエが面するように建てられた地下2階・地上5階で構成される新公会堂が10月13日に開館。また定期借地権が設定された土地には、パークコート渋谷ザタワー(地下4階・地上39階・505戸)が建てられ、2021年1月から入居が始まる。 計画方針 優れた環境性能 - 自然エネルギー・省エネルギー機器などを活用した、優れた環境性能を持つスマートな庁舎であるCGS(コージェネレーションシステム) BEMS(ビルエネルギー管理システム) 太陽光発電(50KW)・LED照明・高効率照明 自然採光・自然通風・緑化・高断熱ガラス 外気冷房・ダクトレス空調 CASBEE(建築環境総合性能評価)Sランク取得 高い耐震性とバックアップ - 高い耐震性を備え、震災後にも区の中枢機能を維持できる災害対応機能を整備する免震構造(耐震安全性 1類) スポットネットワーク受電(3回線同時受電) 給排水バックアップ(受水槽・非常用汚水槽・雨水利用槽) 電源バックアップ(非常用発電1,500KVA・CGS100KW・中圧ガス供給・太陽光発電10KW) どんな人にもやさしい - バリアフリーに配慮したユニバーサルデザインを採用する車椅子が十分にすれ違える通路幅の確保 視覚障がい者誘導ブロックの適切な配置 階段の両側に2段手すりの設置 窓口への車椅子対応の昇降式カウンターの設置 窓口や受付に筆談対応のサインの設置 トイレのL型手すり設置やオストメイト対応 分かりやすいサイン表示
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