海軍の軍用炭自給問題、練炭使用の促進と大嶺炭田とは? わかりやすく解説

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海軍の軍用炭自給問題、練炭使用の促進と大嶺炭田

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 03:11 UTC 版)

大嶺炭田」の記事における「海軍の軍用炭自給問題、練炭使用の促進と大嶺炭田」の解説

1871年明治4年)、兵部省薩摩藩から唐津炭鉱献納受けた。翌1872年明治5年)には唐津炭鉱海軍省移管され、以後海軍直営唐津採炭が行われた。しかし海軍力整備伴って炭質対す要求高まっていき、また、石炭消費量増加してきたため、1886年明治19年)には全国各地産出される石炭品質調査した上で海軍予備炭山指定された。海軍予備炭山平時においては予備として保有している炭鉱のことで、いったん有事となれば多量石炭供給することを目的とした制度であった1887年明治20年)、海軍予備炭山の中で福岡県糟屋郡新原炭が優れているとして、1890年明治23年4月1日には海軍直営新原採炭所開設された。日清戦争時に海軍艦船使用した石炭多く直営新原採炭所石炭であった。ところが日清戦争時、有煙炭である新原炭の欠点露見することになった。まず問題となったのは新原炭を燃料とした艦船黒煙吐き出すため、敵からその存在容易に発見されてしまうということであった。そして味方同士信号やり取り黒煙邪魔してしまい、軍用炭としては不向きであることが明らかとなった結局海軍有事備えイギリス産の無煙炭備蓄することになった。しかし日本とロシアとの緊張高まっていく中で、イギリスカーディフ産の無煙炭大量購入踏み切らざるを得なくなった日英同盟結ばれていたこともあってイギリスからの石炭大量買い付け成功し日露戦争時日本の艦船全て高品質イギリス産の無煙炭使用することが出来たその結果能力通り速力を出すことが可能となり、しかも排煙薄くなった。日本海軍使用石炭においてもロシア海軍比べて大きな優位得て勝利を挙げる原動力一つとなった。 ところで海軍艦船動力となる軍用炭を海外依存することは国防上大きな問題であるとされ、国内自給海軍大きな課題一つとなった。その上炭価が国内炭の倍以上と高額であり、海軍予算圧迫していた。また海軍で1884年明治17年)から練炭使用研究されており、その結果着火早く高カロリーでかつ煙を出さない練炭使用が望ましいとの結論至り1897年明治30年)度の予算において海軍直営練炭製造所建設予算要求する至った。しかし当時民間からの練炭製造出願相次いでおり、中でも天草炭業株式会社製造した天草練炭は試焚の結果軍用適するとされたため、海軍直営練炭製造所建設計画はいったんストップして天草炭業株式会社練炭納入命じることになった。しかし日露関係緊迫化は能力不足の民間企業練炭製造依存することと、イギリス炭の輸入軍用炭を依存し続けることの危険性改め認識させられることになった。しかもイギリスから大量に輸入した石炭のうち約15パーセント粉炭であり、この粉炭から練炭製造すれば海軍予算大きな節約にもなると判断された。そこで海軍直営練炭製造所建設計画改め進められることになったこのような中で、1900年明治33年)、当時経営難に陥っていた長門無煙炭株式会社から、海軍艦船用に大嶺炭田から産出される無煙炭使用して練炭製造する希望出された。そこで天草炭業株式会社大嶺炭田無煙炭使用して練炭試作依頼した完成した練炭1901年明治34年6月高雄磐手、曙などで試焚した結果イギリス炭には及ばないものの天草練炭上回る結果得た大嶺炭田産の石炭から作られ練炭好成績見た海軍は、大嶺炭田産の無煙炭練炭製造することによって、軍用炭の海外依存練炭への移行という大きな課題解決できる考えた。そこで長門無煙炭株式会社その周辺鉱区買収し海軍直営大嶺炭田無煙炭用いて軍事用練炭製造することになった

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