活動休止後と再評価
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1992年の芸能活動休業後も、毎年のようにベスト盤CDやLP復刻盤などのリリース、既発表LPのCD化が続いている。2000年に発売された6枚組CD-BOX『ちあきなおみ・これくしょん ねえあんた』は4万セット以上を売り上げ、歌謡曲系のCD-BOXとしては異例のヒットとなった。翌2001年9月には5枚組CD-BOX『The Anthology of NAOMI CHIAKI ちあきなおみ大全集』が発売された。更に2003年に通販のみで発売された10枚(巻)組CD/カセットBOX『ちあきなおみの世界〜うたくらべ〜』も1万セット以上の売り上げを記録した。2008年10月には6曲のライブ未発表曲、未発表ライブ映像のDVD、本人提供の未発表写真集を含めたCD-BOX『歌手―ちあきなおみ―』が発売された。プロデュースを手掛けた東元晃(日本コロムビアで「喝采」などちあきの曲を担当したプロデューサー。のちテイチク社長となる)がちあきを約2年にわたって根気よく口説き、映像を世に送り出すことを含めて了解を得たという。 2005年11月にはNHK-BS2で90分の特集番組『歌伝説・ちあきなおみの世界』が放送された。これは反響を呼び、初回放送を含めてBS2・NHK総合で2007年8月までに計6回放送された。 また、2007年2月にはテレビ東京『たけしの誰でもピカソ』で民放では初となる本格的な特集が組まれ、2008年1月25日にはその続編も放送された。 2009年11月14日には、『歌伝説・ちあきなおみの世界』に次週放送の番組予告・未公開映像素材を追加して、NHK-BS2で『歌伝説 ちあきなおみ・ふたたび』として15分間延長の上、改めて放送した。翌週11月21日には『BSまるごと大全集 ちあきなおみ』が生放送された。この番組は、事前に視聴者からちあきの歌へのメッセージ・リクエストを受け付け、それを基にした楽曲の歌唱映像を2時間にわたり一挙紹介したものである。 2013年11月16日には、NHK総合『SONGS』(第280回)でちあきが特集された。過去の映像とともに船村徹や東元晃の証言を交えた内容で、同番組において長期休業中の歌手が扱われることは極めて異例であった。 デビュー50周年を迎えた2019年の4月17日にはコンセプトアルバム『微吟』が発売されたほか、同年6月16日にはBSテレビ東京で未公開映像などを交えた2時間の特集番組『ちあきなおみ 再び始まる歌姫伝説』が放送された。『微吟』は同年11月、第61回日本レコード大賞企画賞を受賞。売り上げも3万5000枚を超え、ヒット作となった。 ちあきに対する歌手復帰への期待は根強いものがあり、ベスト盤などのCDのリリースや特集番組が放送されるたびに活動再開を待望する声も上がるが、亡夫から「もう無理して歌うことはない」という遺言があったとされ、本人も歌手復帰を期待する声や音楽関係者の説得に応じていないといわれている。彼女の才能を高く評価していた義兄の宍戸錠も復帰を望んでいたが、宍戸は2020年1月18日に死去、その希望はかなわぬままとなった。 2020年8月、元の、そして最後のマネージャーであった古賀慎一郎による評伝『ちあきなおみ 沈黙の理由』(ISBN 4103535415)が新潮社から刊行された。 2021年3月には、2001年9月に発売された『The Anthology of NAOMI CHIAKI ちあきなおみ大全集』が復刻された。人気や注目度は依然として高く、およそ30年にわたって活動再開はおろか公の場に姿さえ見せないことも相まって、「伝説の歌姫」等と称されるに至っている。このためちあきの消息や関係者の証言・回想などが芸能ニュースになることも少なくないが、その沈黙は依然として破られる気配はない。2019年以降、千秋与四夫・宍戸錠・中村泰士・鈴木淳らゆかりの人物が相次いで他界し、ちあきに追悼コメントの依頼もあったようであるが、これに応じた様子はなかった。なおちあき自身はいたって健康だという。古賀によれば、CDアルバムが売れているので(歌唱)印税収入があるほか、アパート経営などもしているため十分生活できるだろう、という。今でもちあきと直接交流がある数少ない人物の一人である東元はちあきについて「彼女は決して世間をシャットアウトしているわけではなく、いまも感受性豊か」だが、本人に歌手復帰の気持ちはもうないだろう、と述べている。
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