【殲撃13】(せんげきじゅうさん)
- 旧式化した殲撃6(MiG-19)を代替するために計画した戦闘機。
1971年に第112航空廠(現在の瀋陽飛機工業集団有限公司)所属の中国航空研究院601所(現在の瀋陽飛機設計研究所)が開発を開始した。
機体設計案はF-4やF-16の影響を受けており、主翼は下反角をつけた上翼を採用し、エンジンはツマンスキー(カチャツロフ)R-29-300ターボファンエンジンをリバースエンジニアリングによって国産化した渦噴15(WP-15)を搭載する予定であった。
しかし、十分な信頼性を有する大推力のエンジンを得られなかった点や殲撃8の改良型である殲撃8IIの方が実用化に要する経費や開発リスクの面において殲撃13よりも優れていると判断された事から1981年に計画中止になった。
スペックデータ 乗員 パイロット1名 全長 17.48m 全高 N/A 全幅 10.4m 機体重量 11,660kg エンジン 渦噴15(WP-15)ターボファン×1基 推力 8,290kg(ドライ)
12,500kg(A/B使用時)推力重量比 1.07 最大速度 M2.0~2.4 航続距離 2,340km 作戦行動半径 600km 実用上昇限度 N/A 武装 機関砲、中/短距離AAM等 - 中国空軍でのSu-30MKK/MKK2/MKK3をライセンス生産した際の名称。
MKKは多少スペックダウンされており、性能的にはSu-30MKI以下だが、MKK2/MMK3では同等の性能を持っていると思われる。
ちなみにSu-30MKK2以降は新型センサー(M400偵察ポット等)を搭載すると、空中指揮所としても機能し、他の航空機10機と相互データリンクを管制する事が可能である。
殲撃13は、殲撃11と同じように納入を3回に分けていて、第一期は2001年に空軍用向けのSu-30MKK38機が納入、第二期は2002~2003年にかけて同じく空軍用に28機が納入、そして第三期が2004年から空軍・海軍用に38~40機納入される予定である。
なお、機体と一緒にロシア製のKh-59M「オーヴォトM(AS-18『カズー』)」・Kh-29(AS-14『ケッジ』)空対地ミサイル、TV誘導爆弾KAB-500Kr、Kh-31A(AS-17『クリプトン』)対レーダーミサイル、R-77(AA-12『アッダー』)中射程空対空ミサイル・R-73(AA-11『アーチャー』)短射程空対空ミサイル等も「抱き合わせセット」で輸出したと言う不特定情報がある。
Su-30MKK2に関しては2004年から(予定納入数は38機)海軍に第一バッジの12機が2004年3月に、第二バッジの12機が2004年8月に中国に引き渡された。
これらの機体は空軍の訓練テストセンターと南京軍管区の第3、第29戦闘機師団、広州軍管区の第18戦闘機師団に、また海軍のSu-30MKK2は東海艦隊の第4戦闘機師団に配備されている。
現在開発中であるSu-30MKK3は捜索距離300kmの新型アクティブ・フェイズドアレイ・レーダーを装備し、エンジンもAL-31の改良型が搭載される予定だが、納入次期は未定である。
スペックデータ 乗員 2名 全長 21.94m 全高 6.36m 全幅 14.70m 重量 17,700kg エンジン Lyulka-Saturn AL-31F turbofan(推力122.6kN(A/B) ×2基 最大速度 M2.0 戦闘行動半径 1,500km 上昇限度 17,300m 固定武装 GSh-301 30mm機関砲×1門 兵装 R-77アクティブ・レーダー誘導空対空ミサイル(AA-12「アッダー」)
R-27中距離空対空ミサイル(AA-10「アラモ」)シリーズ
R-73赤外線誘導空対空ミサイル(AA-11「アーチャー」)
Kh-59テレビ誘導中距離空対地ミサイル(AS-13「キングボルト」)
Kh-29テレビ誘導短距離空対地ミサイル(AS-14「ケッジ」)
Kh-31A空対艦ミサイル(AS-17「クリプトン」)
鷹撃91高速対レーダーミサイル(YJ-91/Kh-31P/AS-17C「クリプトン」)
KAB-500Krテレビ誘導爆弾
各種爆弾/ロケット弾
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