東京工業大学における社会工学科の発足とは? わかりやすく解説

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東京工業大学における社会工学科の発足

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 17:01 UTC 版)

ゲーム理論」の記事における「東京工業大学における社会工学科の発足」の解説

1964年鈴木光男プリンストン留学から帰国し東京工業大学就職した頃、東工大では、理工学部という単一学部から複数学部作る構想盛んに議論されており、その中に社会工学構想があった。その背景のひとつに「工学社会化」があった。すなわち、当時日本が高度工業社会になったことによって環境問題表面化などにも見られるように社会工学との関係がより密接になり、社会的な問題抜きにしては工学成り立たない状況になっているという認識があった。もうひとつ背景として「社会工学化」が挙げられる。すなわち、工学中に社会科学人文学取り込むことによって、理工学開発してきた技術によって社会問題解決しようという機運高まっていた。東京工業大学人文社会群に所属していた鈴木光男永井道雄川喜田二郎阿部統らは各々に、「社会工学私見」等という社会工学設立構想当時学長であった大山義年提出した大山社会工学設立構想積極的に進め1967年工学部社会工学科設立された。設立当初より社会工学科では「計画数理」という講座鈴木担当しており、その講座において日本初めてのゲーム理論講義が行われた。 1970年前後から日本でも経済学の他分野同じようゲーム理論教科書出版されるうになる物理学分野出身日本における行動科学創立メンバーである戸田正直らによる『ゲーム理論行動理論』(1968年)、大阪大学基礎工学部坂口実教授による『ゲームの理論』(1969年)、大阪大学工学部西田俊夫教授による『ゲームの理論』(1973年)などがある。また鈴木光男人間社会ゲーム理論』(1970年のような一般向けの解説書出版された。さらに1978年には東京図書から『ゲームの理論と経済行動』日本語訳版出版された。 1970年代には鈴木光男指導下東工業大学ではゲーム理論研究が盛んであったものの、東京大学始めとする総合大学経済学部ではマルクス経済学勢力強くゲーム理論研究教育皆無であった1980年代になって初め鈴木光男門下金子守によって東京大学にもゲーム理論流入したとされる東京工業大学中心とした1970年代における日本人経済学者特筆すべき貢献として、中村健二郎研究挙げられる中村鈴木光男によるゲーム理論講義始まった1967年東京工業大学理学部数学科進学し1969年から鈴木研究室に所属してゲーム理論研究始めた中村理学部数学科および大学院理工学研究科数学専攻所属していたが、当時東京工業大学には所属学科に関係なく自分希望する研究室研究できる制度があったため、中村鈴木研究室の第一期生として亜夫や中山幹夫とともに活躍した中村70年代一連の論文において社会的選択関数(英: social choice function)が存在するための必要十分条件(1)拒否権を持つプレイヤー一人存在する(2)選択対象要素の数が中村ナンバー未満あるか のどちらか一つ条件成立していることであることを証明した。この研究1978年米国でのゲーム理論シンポジウム報告され、「中村定理」と呼ばれるようになった。「中村ナンバー(英: Nakamura number)」はこの中報告高く評価したPeleg 1978によって命名されたものである中村健二郎1979年3月29日夭折したが(享年32歳)、中村研究はRouch 1982Deb, Weber & Winter 1996、Mihara 2000などの後続研究によって発展させられた。

※この「東京工業大学における社会工学科の発足」の解説は、「ゲーム理論」の解説の一部です。
「東京工業大学における社会工学科の発足」を含む「ゲーム理論」の記事については、「ゲーム理論」の概要を参照ください。

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