服務の宣誓とは? わかりやすく解説

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【服務の宣誓】(ふくむのせんせい)

新たに公務員となった者が任官に際して行う宣誓基本的に就職任官に際して執り行われる
士官学校などの入学・卒業に際して執り行われる事もある。

本質的に就職に伴う法的な契約であり、関連法規施行規則などを記した宣誓書への記名・捺印をもって成立する
大抵は式典併せて行われ宣誓書全文朗読するなどの通過儀礼を伴う。

基本的に公的機関への就任に関するもののみを指す。
企業武装集団テロ組織秘密結社などでも類似の式典執り行う事があるが、これは内部的慣習であって法的な意味を持たない

ただし多く場合そもそも服務の宣誓にいかなる法的意味があるのかについて議論の余地がある
多く国家多く法律が、服務の宣誓が拒否され場合についての原則定めていないためである
一般的には宣誓拒否任官拒否徴兵制であれば良心的兵役忌避または敵前逃亡)であると解釈される
しかし雇用契約書別途用意される場合宣誓拒否した者がそのまま職務執り行う事もあり得る

日本国における服務の宣誓

日本においては、以下の法令によって服務の宣誓を行う事が定められている。

自衛隊法第五十三条
隊員は、防衛省令定めところにより、服務の宣誓をしなければならない
警察法第三条
この法律により警察職務を行うすべての職員は、日本国憲法及び法律擁護し不偏不党且つ公平中正にその職務遂行する旨の服務の宣誓を行うものとする
国家公務員法第六条
人事官は、任命後、人事院規則定めところにより、最高裁判所長官面前において、宣誓書署名してからでなければ、その職務を行つてはならない
国家公務員法第九十七条
職員は、政令定めところにより、服務の宣誓をしなければならない
地方公務員法第三十一条
職員は、条例定めところにより、服務の宣誓をしなければならない

自衛隊員の「服務の宣誓」

自衛隊においては上掲自衛隊法第53条及び同法施行規則により、新たに隊員となった際に服務の宣誓を行うことが定められている。

このうち制服組においては初め任官された際(自衛隊法施行規則39条)」「自衛官候補生として入隊した際(同第39条の2)」「防衛大学校防衛医科大学校学生及び高等工科学校生徒として入学した際(同第40条)」「予備自衛官即応予備自衛官及び予備自衛官補採用された際(同第41条の1~3)」「幹部自衛官任官された際(同第42条)」に、下記の通りそれぞれの職務応じた宣誓を行うこととされている。


服務の宣誓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/12 15:52 UTC 版)

服務の宣誓(ふくむのせんせい)とは、日本において公務員に課せられた義務の一つ。宣誓の文言は、職種により様々であるが、ほとんどの場合「憲法第15条第99条を肝に銘じる」と必ず記されている。職員が公務員ではない非特定独立行政法人国立大学法人でも新入職員に服務の宣誓をさせる場合がある。

宣誓の義務

日本の公務員のうち、服務の宣誓の義務を負うのは、以下に列挙するものである。

宣誓の方式

一般職の国家公務員の場合、服務の宣誓は、新たに職員となった者が、その職務に従事する前に、任命権者又はその指定する職員の面前において宣誓書に署名して、任命権者に提出することにより行う[7]警察学校では、入学式において学生総代が朗読する。

一般行政職公務員

  • 職員の服務の宣誓に関する政令(昭和41年2月10日政令第14号)によって定められた国家公務員の服務の宣誓

「国家公務員倫理カード」にも、これに基づく“公僕としてするまじき事”が記されている。

私は、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務を深く自覚し、日本国憲法を遵守し、並びに法令及び上司の職務上の命令に従い、不偏不党かつ公正に職務の遂行に当たることをかたく誓います。
  • 職員の服務の宣誓に関する条例(昭和26年2月22日東京都条例第15号)によって定められた地方公務員(東京都職員)の服務の宣誓
私は、ここに、主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、且つ、擁護することを固く誓います。

私は、地方自治の本旨を体するとともに公務を民主的且つ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として、誠実且つ公正に職務を執行することを固く誓います。

人事官

人事院人事官は、任命後、職務を行う前に、最高裁判所長官の面前で、最高裁判所事務総長と人事院事務総長の立会いのもと、次の宣誓に署名することになっている[4][8]

私は、ここに主権が国民に存することを認める日本国憲法に服従し、且つ、これを擁護することを厳かに宣言します。
私は、国民全体の奉仕者として公務を民主的且つ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、国民の意志によつて制定された法律を尊重し、誠実且つ公正に職務を執行することを固く誓います。

裁判所職員

裁判所職員のうち、裁判官・裁判官の秘書官については、服務の宣誓の提出義務が課されていない。

  • 裁判所職員の服務の宣誓に関する規程(昭和24年10月3日最高裁判所規程第21号)によって定められた裁判所職員の服務の宣誓
私は、日本国憲法を遵守し、法令及び上司の職務上の命令に従い、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために誠実かつ公正に職務を行うことを誓います。

警察職員

  • 警察職員の服務の宣誓に関する規則(昭和29年7月1日国家公安委員会規則第7号)によって定められた警察庁職員の服務の宣誓
私は、日本国憲法及び法律を忠実に擁護し、命令を遵守し、警察職務に優先してその規律に従うべきことを要求する団体又は組織に加入せず、何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、何ものをも憎まず、良心のみに従い、不偏不党且つ公平中正に警察職務の遂行に当ることを固く誓います。

消防職員

  • 消防職員宣誓規程(昭和57年10月1日消防規程第1号)によって定められた消防職員の服務の宣誓
私は、日本国憲法及び法律を尊重し、命令、条例、規則及び規定を忠実に遵守し、消防の目的及び任務を深く自覚し、その規約が消防職務に優先して従うことを要求する団体又は組織に加入せず、全体の奉仕者として誠実かつ公正に消防職務の遂行にあたることを固く誓います。

自衛隊

三島事件まで“憲法に遵う”の語句は存在しなかった。追加されたのは事件3年後、1973年のことである[9]

隊員

  • 自衛隊法施行規則(昭和29年6月30日総理府令第40号)によって定められた自衛隊員(行政職の事務官・技官を含む)の服務の宣誓
私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもって専心職務の遂行にあたり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえることを誓います。

自衛官候補生

私は、自衛官候補生たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、知識をかん養し、政治的活動に関与せず、専心自衛官として必要な知識及び技能の修得に励むことを誓います。

防衛大学校学生

  • 自衛隊法施行規則によって定められた防衛大学校学生の服務の宣誓
私は、防衛大学校学生たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法、法令及び校則を遵守し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、知識をかん養し、政治的活動に関与せず、全力を尽して学業に励むことを誓います。

防衛医科大学校学生

私は、防衛医科大学校学生たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法、法令及び校則を遵守し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、知識をかん養し、政治的活動に関与せず、全力を尽して学業に励むことを誓います。

陸上自衛隊高等工科学校生徒

私は、陸上自衛隊高等工科学校生徒たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法、法令及び校則を遵守し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、知識をかん養し、政治的活動に関与せず、全力を尽して学業に励むことを誓います。

予備自衛官

  • 自衛隊法施行規則によって定められた予備自衛官の服務の宣誓
私は、予備自衛官たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身を鍛え、訓練招集に応じては専心訓練に励み、防衛招集及び災害招集に応じては自衛官として責務の完遂に努めることを誓います。

即応予備自衛官

私は、即応予備自衛官たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身を鍛え、訓練招集に応じては専心訓練に励み、防衛招集、治安招集及び災害等招集に応じては自衛官として責務の完遂に努めることを誓います。

予備自衛官補

私は、予備自衛官補たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身を鍛え、教育訓練招集に応じては専心教育訓練に励むことを誓います。

幹部自衛官

  • 自衛隊法施行規則によって定められた幹部自衛官の服務の宣誓
私は、幹部自衛官に任命されたことを光栄とし、重責を自覚し、幹部自衛官たるの徳操のかん養と技能の修練に努め、率先垂範職務の遂行にあたり、もつて部隊団結の核心となることを誓います。

独立行政法人等職員

国立大学法人鳴門教育大学職員

  • 国立大学法人鳴門教育大学職員の服務の宣誓に関する規程によって定められた服務の宣誓

 私は、国立大学法人鳴門教育大学職員としての責務を深く自覚し、就業規則等の規定を遵守し、並びに上司の職務上の命令に従い、誠実かつ公正に職務の遂行に当たることをかたく誓います。

脚注

  1. ^ 国家公務員法第97条
  2. ^ 警察法第3条
  3. ^ 地方公務員法第31条
  4. ^ a b 国家公務員法第6条第1項
  5. ^ 自衛隊法第53条
  6. ^ 裁判所職員臨時措置法で準用する国家公務員法第97条
  7. ^ 職員の服務の宣誓に関する政令第1条
  8. ^ 人事院規則2-0(人事官の宣誓)
  9. ^ 村田春樹「三島由紀夫が生きた時代――楯の会と森田必勝」pp. 223-286「第五章 三島・森田蹶起と日本の運命」、青林堂、2015年10月 ISBN 978-4792605322

関連項目


服務の宣誓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 01:11 UTC 版)

地方公務員」の記事における「服務の宣誓」の解説

職員は、条例定めところにより、服務の宣誓をしなければならない。(地方公務員法第31条) ただし、職員の服務上の義務は、任用採用)によりいわゆる特別権力関係に入ることによって当然に生じるものであり、服務の宣誓をすることによって初め義務生ずわけではない

※この「服務の宣誓」の解説は、「地方公務員」の解説の一部です。
「服務の宣誓」を含む「地方公務員」の記事については、「地方公務員」の概要を参照ください。

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