月出の中央構造線
名称: | 月出の中央構造線 |
ふりがな: | つきでのちゅうおうこうぞうせん |
種別: | 天然記念物 |
種別2: | |
都道府県: | 三重県 |
市区町村: | 松阪市飯高町 |
管理団体: | |
指定年月日: | 2002.12.19(平成14.12.19) |
指定基準: | 地3,地5 |
特別指定年月日: | |
追加指定年月日: | |
解説文: | 中央構造線は、関東から中部・近畿・四国を経て九州まで、ほぼ東西に連続する我 が国第一級の大断層であり、延長は1,000kmにも及ぶ。地質学的には、断層北 側の西南日本内帯と呼ばれるカコウ岩を主体とする地域と南側の西南日本外帯と呼ば れる変成岩地域の境界を成す断層である。活動時期は約1億年前の中生代白亜紀に遡 るとされ、我が国の成り立ちを語る上で欠かせない。 中央構造線は、地形的にも顕著であり衛星画像などでも明瞭に捉えることが出来る。 特に長野県茅野市から静岡県水窪町に至る南北の谷、和歌山県の紀ノ川、徳島県の吉 野川から石鎚山脈の北縁に沿う地域では顕著な直線上の地形を示す。この地形的に顕 著な地域は、中央構造線の最近の活動が活発な地域と一致する。この地域での中央構 造線は右横ずれ成分が卓越し、千年あたり数mの変位量を示す活断層である。 「月出の中央構造線」は、奈良県境に近い三重県飯高町にある。断層露頭は高さ約 80m、幅約50mに達する。この断層露頭は、平成7年度からの三重県治山事業に よる土砂の除去作業により出現したものである。断層面はほぼ東西で北に60度程度 傾斜する。断層を挟んで北側は西南日本内帯に属す、白色のカコウ岩類、南側は西南 日本外帯の黒色の変成岩類で、色彩の違いからも断層が簡単に認識できる。 三重県地域での活動度は低いものの、「月出の中央構造線」では、西日本を地質学 的に二分する大断層である中央構造線が明瞭に認められる。観察路や説明板などの整 備も行われており、安全に観察できる。天然記念物に指定し永く保存を図るものであ る。 |
月出の中央構造線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/25 14:32 UTC 版)
月出の中央構造線(つきでのちゅうおうこうぞうせん)は、三重県松阪市飯高町月出にある、大規模な中央構造線の露頭。月出露頭(つきでろとう)とも言う[1]。
- ^ 諏訪(1997):53ページ
- ^ a b c “月出の中央構造線”. みんなで、守ろう!活かそう!三重の文化財 / 情報データベース. 三重県教育委員会事務局社会教育・文化財保護課. 2016年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月18日閲覧。
- ^ a b c d e 三重県高等学校日本史研究会 編(2007):150ページ
- ^ a b c 諏訪ほか(1997):XXXVページ
- ^ a b c d e f g h i 田中喜久雄. “伊勢湾台風で一部露出―月出の中央構造線露頭地”. 歴史の情報蔵. 三重県環境生活部文化振興課県史編さん班. 2016年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月18日閲覧。
- ^ 諏訪(1997):53 - 55ページ
- ^ 諏訪(1997):54 - 55ページ
- ^ 諏訪(1997):55 - 56ページ
- ^ a b 諏訪(1997):56ページ
- ^ "月出の中央構造線 「地質百選」に"朝日新聞2007年5月25日付朝刊、三重版23ページ
- ^ 森山敏男"新たな露頭発見 中央構造線 松阪、珍しい東西断面 「触れて体感できる"朝日新聞2012年9月8日付朝刊、三重版31ページ
- ^ 本井宏人"新発見の露頭 間近に 松阪の「中央構造線」 14日初の観察会"朝日新聞2015年11月12日付朝刊、三重版29ページ
- ^ “町別人口一覧表(50音順)” (2016年4月1日). 2016年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月18日閲覧。
- ^ a b 明賀雄二"「民泊の村」高齢化で幕 最後の1軒も来春まで 松阪・月出の里 市「今後人気のはず…残念」"朝日新聞2008年4月13日付朝刊、三重版31ページ
- 1 月出の中央構造線とは
- 2 月出の中央構造線の概要
- 3 参考文献
- 月出の中央構造線のページへのリンク