最終章・ナポレオンは夜歌う(コニャック編)
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「エラン (漫画)」の記事における「最終章・ナポレオンは夜歌う(コニャック編)」の解説
第12話から最終話(第18話) エージェントからナポレオン級コニャックの売買情報を聞きつけたエランは蘭とタヌキさんをフランスに派遣する。だが2人はフランスの空港で、同じ飛行機に乗った紅瞳の女性、レミ・バタイユの誘拐騒動に巻き込まれ、彼女と一緒にバタイユ家の古城へとさらわれる。一方、2人が空港で消息を絶ってしまったためエランではその対応に追われてしまう。結果、かつてない心労に晒された娑羅は幼い頃に克服していたはずの心不全を再発させ倒れてしまう。 バタイユ家では当主死亡のため、相続に伴う税金問題に揺れていた。ナポレオン帝政時代より代々、土地を守り続けてきたバタイユ家は歴代の同問題を土地の切り売りで凌いでいたのだが、当代に至ってその方法に限界が来てしまっていた。その起死回生の手段として、バタイユ家に「ノワール・サンク」として口伝されてきた「死のホクロの財宝」を狙っていたのである。レミの体にあるバタイユ家における遺伝性のホクロと領地地図を照らし合わせれば、その隠し場所が解るはずだった。だが、その決め手となるホクロはレミが死亡した時のみに浮かび上がる「死にボクロ」であった。巻き込まれた蘭とタヌキさんは、行きがかり上、レミを守りながら財宝をも探さねばならないという騒動に加わることになってしまうが、時同じくして蘭とタヌキさんの捜索のためにフランスに飛んだ隼とキツネさんも合流。さらに隼は件のコニャックが売買交渉ではなくオークションである事を突き止める。そしてエランと同じくコニャックの落札を狙い、座王からは柳が部下を引き連れてフランスに乗り込んでいた。 4人がフランスで宝探しに挑む一方、娑羅の容態は意識の際どいところで一進一退を繰り返していた。行方不明となった2人が見つかった事でエランの負担は軽くなったものの、状況は予断を許さない。娑羅のために何とか良い知らせを、と焦る一丸は現地メンバーにコニャックオークションでなんとしても落札をするようにと指令を出す。 オークション当日。コニャック3樽を巡り落札交渉がスタートする。だが、それを一目見た隼と柳は即座にオークションを降りてしまう。柳は持ち前の知識から、隼はキツネさんからの指導により、コニャックが二束三文のクズ酒である事を見抜いていた。2人とも「あんな樽に大事な金は出せない」とそれぞれの本部に連絡。一丸は話を聞いて落胆するも納得するが、堂本は柳より同じ話を聞きながら激怒する。 堂本は、「樽の中身なんざどうでもいいんだ 樽とそれをセリ落とした実績が欲しいんだ」と言った。その目的は、巨額の原発プラント事業の受注競争で負けないために資本力を示すには、「酒ごときでもそれだけの金を用意できるってことを見せておかなきゃならないんだ」ということだった。堂本は、この計画で座王の頂点に立ち数兆円の計画に対して決定権を持つことができるようになるんだと自身の野望を語り、柳に失望したと告げた。その姿に柳は、「こざかしいハッタリで出世を狙うやつじゃなかった」と堂本が変わってしまったことを知る。堂本がCOCOM違反告発騒動で「学んで」変わってしまった事を悟り絶望する。 一方、隼たちは取引が終わり帰途につこうとするが、その直前にキツネさんの助言で「ノワール・サンク」の位置が判明する。もののついでに、とその位置に行った隼たちだったが、現地は野原で何もない。収穫無しで終わろうとした時、タヌキさんが「ノワール・サンク」の「別解釈」に思い至り、総員は、その別解釈によって導かれバタイユ城の地下にある隠し倉庫を発見。そこにはガラス瓶に詰められたナポレオン帝政時代のコニャックが棚一面に置かれていた。大慌てで隼は一丸に報告。同時に娑羅の意識は回復する。彼女の意識を留めたのは仲間との友情、エランの仲間たちと共に生きていきたいと願う「情熱」であった。 ナポレオンのコニャックによりバタイユ家は持ち直し、エランもまた、同コニャックのフランス国内酒造メーカーへの売買仲介によって利益を打ち出す。エランからコニャックを買い取った酒造メーカーは自社所持の年代物コニャックとのブレンデットを経て「フランスの至宝」とも言えるコニャックを製造する事に成功し王室へと献上。これは王室・政府専用の品となった。バタイユ城は一丸の仲介により日本の料理学校に貸し出される事となり、件の酒造メーカーが醸成ブレンダ―養成課程の担当セクションとして参画する事が決定。バタイユ家は定期収入を得る事が可能となり相続税問題から解放された。 そして帰国した隼・蘭・キツネさん・タヌキさんを待っていたのは、車椅子生活から解放された娑羅と彼女を支える一丸の姿だった。彼らはこれからも仲間の力で目標に向かい貿易という情熱の道を歩いていく。
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