景勝地・観光
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 06:31 UTC 版)
筑後川流域には景勝地や観光スポットが多いが、その大半は上流部に集中している。 上流域は阿蘇くじゅう国立公園や耶馬日田英彦山国定公園の指定区域になっている流域も多く、阿蘇熔岩や安山岩を削って形成された九酔渓(玖珠川)や杖立渓谷・夜明渓谷(筑後川)といった渓谷もある。九酔渓には日本の滝百選にも選ばれている震動の滝のほか、2006年(平成18年)には九重"夢"大吊橋が完成した。歩行者用吊橋としては茨城県にある竜神大吊橋(常陸太田市)を抜いて日本一の高さを有する吊橋となり、新たな観光名所となっている。 また紅葉の名所も多く、九酔渓のほか梅林湖と蜂の巣湖は人造湖と紅葉のコントラストが美しく、梅林湖では水上バスも運行している。このためシーズンになると国道210号、国道212号は渋滞を起こす。また大分県・福岡県境の夜明ダム湖はサクラの名所としても知られ、カヌーの練習場としても使用される。うきは市には名水百選に選ばれた清水湧水がある。 また筑後川流域は、阿蘇山の火山活動に伴い噴出した温泉が数多くあり、多くの湯治客や観光客が訪れる。主な温泉として黒川温泉、杖立温泉、日田温泉、原鶴温泉、筑後川温泉が本流沿いに、玖珠川沿いには天ヶ瀬温泉があり知名度が高く、観光客も多い。このほかにも大小様々な温泉が存在する。こうした温泉と共に発展した名物として筑後川の観光遊船がある。 特に日田温泉、原鶴温泉、筑後川温泉の遊船が知られており、歴史としては安土桃山時代末期より始まったと伝えられる日田市、三隈川の遊船が最も古い。続いて原鶴の遊船が古く、筑後川温泉の遊船が最も新しい。これらの遊船はそもそも鵜飼より始まり、毎年5月のアユ漁解禁に合わせて鵜飼が始まると同時に観光の一環として遊船が繰り出されたものである。日田・原鶴・筑後川の三温泉では晩春から初夏より筑後川に多くの屋形船が浮かび、涼を求める多くの観光客が乗船する。また、毎年8月には「西日本最大級」とも称される筑後川花火大会が久留米市で開催され、2万発近くの花火が打ち上げられる。 観光地としては先に述べた景勝地・温泉のほか日田市の咸宜園や高塚愛宕地蔵尊、亀山公園が上流域に、「小京都」秋月や朝倉三連水車(朝倉市)、うきは市の百年公園や耳納山地沿いに広がるぶどう園が中流域にある。久留米市には幕末に尊王攘夷運動に身を投じ、禁門の変で自刃した真木保臣を輩出した久留米水天宮や高良大社、石橋文化センターなどの文化施設がある。 佐賀県神埼市と神埼郡吉野ヶ里町の境、城原川と田手川沿いには吉野ヶ里遺跡があり、この地も多くの観光客で賑わう。特産品としては久留米絣のほか小石原焼、秋月焼、小鹿田焼(おんだやき)、高取焼といった陶芸品、大川市のタンス、八女市から耳納山地に掛けて栽培される八女茶などがある。
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