普通列車を気動車で運行する路線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 11:50 UTC 版)
「鉄道の電化」の記事における「普通列車を気動車で運行する路線」の解説
下記の路線は電化設備を有し、特急列車・貨物列車は電車・電気機関車牽引で運行するが、普通列車は全列車気動車で運行する(または過去に運行していた)路線である。大半が交流電化路線で、交流電車自体が最低でも2両は必要であるため、1両でも運転できるようにあえて気動車を導入しているところがある。 ●印は2020年4月現在でも実施している路線。 湖西線(近江今津 - 近江塩津) - 1974年7月20日の開業時より全線電化されているが、この区間には交流・直流デッドセクションが存在したため優等列車は電車または電気機関車牽引、貨物列車は電気機関車牽引で運行され、普通列車のみ電車化されず気動車が使用された。1991年9月14日の北陸本線米原 - 長浜の直流化と同時に湖西線の普通列車も交直流電車に移行。さらに2006年10月21日よりこの区間は直流化され、直流電車に移行。 ●道南いさりび鉄道線 - 1988年3月13日の海峡線開業と同時に電化され、電気機関車牽引の客車列車である快速「海峡」が走っていたが、2002年12月1日に特急「スーパー白鳥・白鳥」へ格上げされて廃止となった。それ以降は優等列車が電車または電気機関車牽引、貨物列車は電気機関車牽引で運行され、普通列車は電車化されず気動車で運行されている。2016年3月26日の道南いさりび鉄道への転換以降は優等列車の運行はなくなったが、貨物列車および臨時列車直通のために電化設備は残されている。この区間にデッドセクションは存在しないがき電区分セクションがあり電圧が変化する。なお、終着駅である木古内駅の当線の到着ホームは架線が張られていない。 ●津軽線(蟹田 - 新中小国信号場) - 江差線(現・道南いさりび鉄道線)電化と同時に電化されたが、新中小国信号場は駅ではなく途中の中小国駅は海峡線の全列車が通過するため、普通列車は蟹田駅以北は気動車でのみ運行されている。 田沢湖線 - 1982年11月15日に電化されたが、特急「たざわ」のみが485系電車で運行され、普通列車は電車化されず引き続き気動車が使用された。1997年3月22日、秋田新幹線運行に伴う改軌で全列車が701系電車に移行。 仙石線(高城町 - 石巻) - 東日本大震災による電化設備損壊のため、暫定的に陸前小野駅 - 石巻駅間をキハ110系気動車で運行していた。2015年5月30日に全線復旧し、同日から電車による運行が復活するとともに仙石東北ライン経由のHB-E210系気動車が乗り入れを開始した。東北本線(交流電化)と仙石線(直流電化)の連絡線は電化されていない。 ●七尾線(七尾 - 和倉温泉) - 1991年の電化時から。特急列車はJR西日本の電車で運行され金沢・大阪方面からそのまま和倉温泉駅まで直通するが、普通列車は七尾駅で運行系統が分断されており、当該区間はのと鉄道の気動車で運行されている。 ●羽越本線(村上 - 酒田) - 1993年から全列車が気動車化された。それ以前は電気機関車牽引の客車列車も運行されていた。この区間には交流・直流デッドセクションが存在する。 ●肥薩おれんじ鉄道線 - 2004年3月13日の肥薩おれんじ鉄道への転換時から。電気機関車による貨物列車や、JR九州の電車による臨時、回送列車や、787系によるD&S列車『36ぷらす3』を直通させるために電化設備は残されている。電化路線であるため、JR西日本のクモヤ443形による架線計測列車の計測区間であり、この線内は肥薩おれんじ鉄道の運転士が担当している。 日豊本線(佐伯 - 延岡) - 2009年10月1日から2018年3月16日まで。翌3月17日より電車による運転に移行。 ●室蘭本線(苫小牧 - 東室蘭) - 2012年10月27日から。 ●鹿島線(鹿島神宮 - 鹿島サッカースタジアム) - 鹿島サッカースタジアム駅は臨時駅であり、通常は旅客列車がすべて通過することから非電化の鹿島臨海鉄道大洗鹿島線から気動車を鹿島神宮駅まで直通させている。 ●京都丹後鉄道宮福線 - 1996年にJR西日本から宮津線の天橋立駅まで電車による特急列車を直通させるため全線が電化されたが、電車を保有していない北近畿タンゴ鉄道から京都丹後鉄道が車両を借り受けていることから線内のみの普通列車は気動車で運行されている。ただしJRの電車(113系・115系)による普通列車が下り2本・上り1本と快速が1本(大江山2号)存在する。 ●えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン・あいの風とやま鉄道線(直江津 - 泊) - 2015年3月14日の転換時から。区間内のみの列車は気動車で運行されている。貨物列車およびJR東日本・あいの風とやま鉄道からの定期、臨時列車直通のために電化設備は残されている。この路線には交流・直流デッドセクションが存在する。 野岩鉄道会津鬼怒川線・会津鉄道会津線(上三依塩原温泉口 - 会津田島) - 2015年9月10日に発生した大雨等の影響で、2015年9月19日に運転再開されたが、東京電力の送電鉄塔傾斜による停電のため、暫定的に会津鉄道から気動車が乗り入れていた。同年12月11日より全線で電車運転が復活した。2022年3月12日のダイヤ改正で会津鉄道にて特急以外の普通列車が全て気動車化される予定。 ●大村線 - 1992年3月に早岐 - ハウステンボスの一区間が電化され、特急「ハウステンボス」が電車で運行されるようになったが、普通列車・快速列車は非電化区間へ直通するため従来どおり気動車で運行されている。ただし2017年11月30日までは臨時列車「ハウステンボスリレー号」が気動車のほかに電車でも運行されていた。
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