蟹田駅とは? わかりやすく解説

蟹田駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/09 07:30 UTC 版)

蟹田駅
駅舎(2011年7月)
かにた
Kanita
瀬辺地 (3.6 km)
(4.4 km) 中小国
青森県東津軽郡外ヶ浜町字上蟹田[1][2]
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 津軽線
キロ程 27.0 km(青森起点)
電報略号 カタ
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線[2]
乗車人員
-統計年度-
109人/日(降車客含まず)
-2023年-
開業年月日 1951年昭和26年)12月5日[2][3]
備考
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蟹田駅(かにたえき)は、青森県東津軽郡外ヶ浜町字上蟹田(うえかにた)にある[1]東日本旅客鉄道(JR東日本)津軽線である[2]事務管理コードは▲212510[4]

概要

当駅は津軽線の単独駅であり、津軽線と北海道旅客鉄道(JR北海道)海峡線の営業上の分岐駅は隣の中小国駅[5][6]、施設・資産上の分岐・分界点は中小国駅と大平駅との間にある新中小国信号場(海峡線・北海道新幹線所属・JR北海道管轄)である[2]。しかし、海峡線を経由する旅客列車は当初から中小国駅を通過していたため、特急「白鳥」・「スーパー白鳥」がすべて停車する当駅が実質的な分岐駅となっていた[2]。このため、当駅でJR東日本とJR北海道の乗務員の交代が行われており、寝台特急も一時期は当駅で車掌の交代が行われていた(のちに青森駅で行われるようになった)[7][注 1]。また、貨物列車も行き違いのため、当駅に運転停車することがある。しかし、2016年(平成28年)3月26日の北海道新幹線開業に伴い、青函トンネルを経由する定期旅客列車は海峡線からすべて北海道新幹線に移行し、当駅には乗り入れなくなった。

2002年(平成14年)12月1日のダイヤ改正で快速海峡」が廃止され、以降2016年(平成28年)3月の在来線定期旅客列車の設定終了に至るまで海峡線を通過する普通列車は設定されなかった[報道 1]。このため、当駅 - JR北海道木古内駅間の各駅で特急「白鳥」・「スーパー白鳥」の普通車自由席の乗車に限り、特急料金が不要となる特例が設けられていた。また、海峡線方面と津軽線三厩方面乗り換え相互の(大平駅 - 三厩駅間で乗降する)場合、運賃は当駅改札を出ない限り中小国駅乗り換えで計算する区間外乗車の特例がそれぞれ設けられていた[注 2]。これらの理由から、JR北海道木古内駅同様、「青春18きっぷ」利用者の当駅での乗り換えが多かった。

津軽線の定期普通列車は、午後の上下各一本(2019年〈平成31年〉3月16日改正時点)が気動車で全線直通運転する以外は当駅にて運転系統が分断されている。青森方面は電車、三厩方面は気動車が当駅でそれぞれ折り返し運転を行う。

津軽線(青森駅 - 中小国駅間)と海峡線(中小国駅 - 木古内駅間)と江差線(木古内駅 - 五稜郭駅間)と函館本線(五稜郭駅 - 函館駅間)は旅客案内上「津軽海峡線」という愛称が使用され、在来線定期旅客列車の設定終了に至るまで「海峡線」とは案内されることはなかった。

歴史

蟹田駅に停車中のわんタク(2024年5月)

駅構造

単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線を有する地上駅である[2]。互いのホームは跨線橋で連絡している[2]。ホームの有効長は8両である。このほか、留置線が1線あり、青森方へ一旦引き上げてから入る形となっている。

青森駅が管理し、JR東日本東北総合サービスが受託する業務委託駅である。直営駅時代は管理駅で、中沢駅 - 大川平駅間の各駅を管理していた。

駅舎は木造平屋建てで、みどりの窓口自動券売機駅スタンプが設置されている。待合室は駅舎内と2・3番線ホーム上にそれぞれ設けられている。

のりば

番線 路線 方向 行先 備考
1 津軽線 上り 青森方面[8] 三厩始発
2 当駅始発
3 下り 三厩方面[8]  

利用状況

JR東日本によると、2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員109人である[利用客数 1]

2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。

1日平均乗車人員推移
年度 定期外 定期 合計 出典
2000年(平成12年)     412 [利用客数 2]
2001年(平成13年)     381 [利用客数 3]
2002年(平成14年)     357 [利用客数 4]
2003年(平成15年)     314 [利用客数 5]
2004年(平成16年)     295 [利用客数 6]
2005年(平成17年)     260 [利用客数 7]
2006年(平成18年)     257 [利用客数 8]
2007年(平成19年)     247 [利用客数 9]
2008年(平成20年)     241 [利用客数 10]
2009年(平成21年)     231 [利用客数 11]
2010年(平成22年)     229 [利用客数 12]
2011年(平成23年)     227 [利用客数 13]
2012年(平成24年) 113 107 221 [利用客数 14]
2013年(平成25年) 115 103 218 [利用客数 15]
2014年(平成26年) 106 99 206 [利用客数 16]
2015年(平成27年) 111 98 209 [利用客数 17]
2016年(平成28年) 73 91 164 [利用客数 18]
2017年(平成29年) 56 95 152 [利用客数 19]
2018年(平成30年) 56 93 150 [利用客数 20]
2019年(令和元年) 52 90 143 [利用客数 21]
2020年(令和02年) 32 76 109 [利用客数 22]
2021年(令和03年) 31 67 99 [利用客数 23]
2022年(令和04年) 37 58 96 [利用客数 24]
2023年(令和05年) 43 66 109 [利用客数 1]

駅周辺

駅前通りの県道238号蟹田停車場線

バス路線

その他

ホーム上の津軽海峡線開業記念碑
太宰治津軽』の一節が刻まれている

隣の駅

東日本旅客鉄道(JR東日本)
津軽線
瀬辺地駅 - 蟹田駅 - 中小国駅

脚注

記事本文

注釈

  1. ^ この時はJR西日本大阪車掌区の車掌も当駅で交代を行っていた。
  2. ^ 2015年(平成27年)8月10日にJR北海道津軽今別駅が全列車通過扱いとなるまでは、連絡通路で結ばれていたJR東日本津軽二股駅との間で、海峡線木古内・函館方面と津軽線三厩方面の相互乗り換えが可能だった。ただし、正式な乗り換え駅とはされていなかったうえ、津軽二股駅には普通列車が1日5往復停車するのに対し、津軽今別駅には特急「白鳥」が1日2往復停車したのみであったため、接続の便は良くなかった。
  3. ^ 同年10月からはこの観光駅長にちなみ、津軽線に運転される臨時快速「リゾートあすなろ津軽」も「リゾートあすなろ津軽蟹夫」に改称されている。

出典

  1. ^ a b c 駅の情報(蟹田駅):JR東日本」東日本旅客鉄道。2024年8月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月3日閲覧
  2. ^ a b c d e f g h i j 『週刊 JR全駅・全車両基地』 31号 青森駅・弘前駅・深浦駅ほか、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年3月17日、22頁。 
  3. ^ a b c d e 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、557頁。 ISBN 978-4-533-02980-6 
  4. ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
  5. ^ JR東日本事業概要2015-2016 (PDF)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  6. ^ 営業エリア | 企業 | JR北海道- Hokkaido Railway Company」北海道旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  7. ^ 清水要「一部廃止でまもなく終着駅に 本州の北の玄関口の栄枯盛衰 津軽線 蟹田駅(青森県東津軽郡外ヶ浜町)」『ヤフーニュース』2024年12月6日。2025年5月7日閲覧
  8. ^ a b JR東日本:駅構内図・バリアフリー情報(蟹田駅)」東日本旅客鉄道。2023年12月12日閲覧

報道発表資料

  1. ^ a b 平成14年12月ダイヤ改正について」(プレスリリース)、北海道旅客鉄道、2002年9月20日。2002年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月19日閲覧
  2. ^ 2010年12月ダイヤ改正について (PDF)」(プレスリリース)、東日本旅客鉄道、2010年9月16日。2014年6月19日閲覧
  3. ^ 平成22年12月ダイヤ改正について (PDF)」(プレスリリース)、北海道旅客鉄道、2010年9月24日。2014年6月19日閲覧
  4. ^ 北海道新幹線設備切替に伴う列車運休について (PDF)」(プレスリリース)、北海道旅客鉄道。2016年2月7日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2016年3月21日閲覧
  5. ^ 今別町・外ヶ浜町の一部エリアでデマンド型乗合タクシーの実証実験を行います! (PDF)」(プレスリリース)、東日本旅客鉄道盛岡支社/JR東日本スタートアップ/電脳交通/奥津軽観光、2022年6月2日。2022年8月25日閲覧
  6. ^ JR津軽線蟹田駅~三厩駅間の被害状況及び代行バスと振替輸送について (PDF)」(プレスリリース)、東日本旅客鉄道盛岡支社、2022年8月19日。2022年8月25日閲覧
  7. ^ Suicaエリア外もチケットレスで! 東北エリアから「えきねっとQチケ」がはじまります (PDF)」(プレスリリース)、東日本旅客鉄道、2024年7月11日。2024年7月11日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2024年8月21日閲覧

新聞記事

  1. ^ JR津軽線蟹田駅に「カニ駅長」お目見え」『東奥日報47NEWS、2012年5月14日。2012年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月20日閲覧
  2. ^ はじめまして 蟹田駅のカニスマ駅長です」『東奥日報』2012年7月10日。2019年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月19日閲覧

利用状況

  1. ^ a b 各駅の乗車人員 2023年度 101位以下(8)| 企業サイト:JR東日本」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  2. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2000年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  3. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2001年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  4. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2002年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  5. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2003年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  6. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2004年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  7. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2005年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  8. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2006年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  9. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2007年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  10. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2008年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  11. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2009年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  12. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2010年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  13. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2011年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  14. ^ JR東日本:各駅の乗車人員(2012年度)」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  15. ^ 各駅の乗車人員 2013年度 ベスト100以外(8):JR東日本」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  16. ^ 各駅の乗車人員 2014年度 ベスト100以外(8):JR東日本」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  17. ^ 各駅の乗車人員 2015年度 ベスト100以外(8):JR東日本」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  18. ^ 各駅の乗車人員 2016年度 ベスト100以外(8):JR東日本」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  19. ^ 各駅の乗車人員 2017年度 ベスト100以外(8):JR東日本」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  20. ^ 各駅の乗車人員 2018年度 ベスト100以外(8):JR東日本」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  21. ^ 各駅の乗車人員 2019年度 ベスト100以外(8):JR東日本」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  22. ^ 各駅の乗車人員 2020年度 101位以下(8)| 企業サイト:JR東日本」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  23. ^ 各駅の乗車人員 2021年度 101位以下(8)| 企業サイト:JR東日本」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧
  24. ^ 各駅の乗車人員 2022年度 101位以下(8)| 企業サイト:JR東日本」東日本旅客鉄道。2025年6月26日閲覧

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