映画監督への転身とは? わかりやすく解説

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映画監督への転身

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 01:08 UTC 版)

伊丹十三」の記事における「映画監督への転身」の解説

1984年51歳で、『お葬式』で映画監督としてデビューし日本国内高い評価を受ける。この作品受賞した映画賞は、日本アカデミー賞芸術選奨新人賞始めとして30超えた。この映画信子の父葬式きっかけであり、わずか一週間シナリオ書き上げた。 なお、本作はその著作読み漁り講演などには必ず駆けつけるほど傾倒していた蓮實重彦の「理論」を強烈に意識して制作されたものであり、主に1930年代から1940年代ハリウッド映画シーンショット引用多数ちりばめられている。しかし、試写会訪れた蓮實対し伊丹歩み寄り声を掛けたが、蓮實無下にダメです」と返答したけだった伊丹蓮實からの予想外な酷評にひどく失望したと言われているが、その影響からか2作目以降は「引用織物」による「芸術的」な側面姿を消しもっぱらエンターテインメント徹した作風となっている。 またこの作品で、伊丹前歴俳優・エッセイスト・ドキュメンタリー作家CM作家・イラストレーター商業デザイナーとして全ての経験活かせることを発見しその後食欲と性欲未分化人びと喜劇的描いたタンポポ』、国税局査察部通称マルサ」)に対す徹底した取材元にした『マルサの女』、ヤクザ民事介入暴力と戦う女弁護士描いた『ミンボーの女』など、日本社会対する強い問題意識もちながら、かつエンターテインメント性に富み映画史引用細部こだわった映画作品を創ったことで、一躍当時日本代表する映画監督となり「伊丹映画」というブランドを築くことに成功する。 特に1992年『ミンボーの女』では、ゆすりをやる暴力団市民勇気持って賢く行動すれば引き下がることを描き観客大喜びした。これまで日本では映画ヤクザ暴力団員)をヒーローとして扱い礼賛していた(「ヤクザ映画」という一ジャンル存在する)。公開1週間後5月22日夜に自宅近く刃物持った5人組襲撃され、顔や両腕などに全治3ヶ月重傷を負うが、伊丹は「私はくじけない映画で自由をつらぬく。」と宣言した病院搬送された際に取材陣から「大丈夫ですか!?」と声をかけられ、声こそ出なかったもののピースサイン応えた警察現場の車から山口組後藤組犯行であることを突き止め、5人の組員4年から6年懲役刑となった1993年5月には自称右翼の男が『大病人公開中の映画館スクリーン切り裂く事件が起こるなど、数々被害脅迫嫌がらせを受けることとなったが、襲撃事件により身辺警護受けた身辺警護経験1997年の『マルタイの女』で映画化された。 また『タンポポ』は、アメリカで配給され評判となった演出面での特徴は、俳優に対して一言一句アドリブ許さず画面に映る全ての小道具一切妥協許さないという厳格なものであった。しかし、俳優NG出して決し怒鳴り散らしたりしなかったため、俳優にとっては非常にやりやすかったという[要ページ番号]。また、お葬式以降一貫して「死」にこだわり続け端役が死ぬような場面で演出には熱がこもっていた。全体が食にまつわる気楽なコメディであり生命賛歌でもある(ラスト母乳を飲む赤ちゃん映像である)『タンポポ』にも、死のイメージ挿入され本筋と関係なく登場し続け白服ヤクザ最後に銃弾浴びて落命する。

※この「映画監督への転身」の解説は、「伊丹十三」の解説の一部です。
「映画監督への転身」を含む「伊丹十三」の記事については、「伊丹十三」の概要を参照ください。

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