新居系ヴァイタスコープとは? わかりやすく解説

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新居系ヴァイタスコープ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/18 02:17 UTC 版)

ヴァイタスコープ」の記事における「新居系ヴァイタスコープ」の解説

東京京橋貿易商である新居商会は、荒木とは別の経路ヴァイタスコープ日本輸入した新居商会社員柴田忠次郎は、1893年シカゴ万国博覧会日本式庭園出品するために渡米しその後アメリカ各地同様の催しをしていたが、1896年友人勧めヴァイタスコープの上映を見ると、それを日本輸入して上映しようと思い立ち直ち装置16本のフィルム3500円で購入した。しかし、代金不足したため残額日本支払うことになり、それを取り立てる付き馬としてアメリカ人映写技師ダニエル・クロースが日本同行することになった1896年末に柴田クロースは、装置フィルム携えて日本到着した新居商会ヴァイタスコープで使う電気確保苦労したが、三吉電機工場直流ダイナモ十文字商会石油発動機使用し自家発電起すことで問題解決した。なお、十文字商会経営者である十文字大元は、演説上手く英語力堪能だったことから、新居系ヴァイタスコープ興行での口上役を務めることになったヴァイタスコープ試写会は、1897年2月27日歌舞伎座行われた十文字によると、1897年1月新居商会会社内で試験的映写行い、これが成功したため大々的公開することを考えていたところ、英照皇太后崩御1ヶ月歌舞音曲禁止され時期うかがっていたときに、福地源一郎紹介歌舞伎座の上映が実現したという。試写会折柄公演中だった『積恋雪関扉』の終演後の午後7時始まり、まず口上役である十文字上映作品装置構造映写方法などについて1時間かけて説明しその後ヴァイタスコープ数本フィルム2、3回ずつ繰り返して上映した出席者には名士新聞記者などがいたが、その中には舞台終えたばかりの九代目市川團十郎五代目尾上菊五郎十二代守田勘彌もおり、上映見た勘彌は五郎に「これはやがて芝居を蹴るような恐ろしい強敵になるぞ」と囁いたという。試写会成功収め、気を良くした新居商会3月1日から歌舞伎座一般上映始めようとしたが、舶来物を嫌う團十郎が「どうしてもやるというなら舞台を鉋で削り直しておけ」と激怒したため中止したという。 そこで新居商会神田錦町にある貸席錦輝館会場変更し1897年3月6日から22日まで「活動大写真」の名称で一般上映行った興行毎日午後1時と午後7時の2回行われ、『メアリー女王の処刑』『ナイヤガラ瀑布』『群飼養の図』『新約火事場の景』『李鴻章ウヲルドルフ旅館を去るの図』『蝶々踊』などの作品上映された。口上十文字クロース担当しクロースが英語で何かを話したあと、それを通訳するような形で十文字が話すという順序説明が行われた。宣伝受け持っていた広目屋店員駒田好洋によると、上映中は広目屋派遣した楽隊による伴奏音楽演奏されたという。 錦輝館での興行終了した翌日3月23日には、同会場職工徒弟学校演芸会の催しひとつとして上映された。3月27日から4月5日までは歌舞伎座子供芝居余興上映されたが、映画史家田中純一郎によると、この時には團十郎ヴァイタスコープの上映に文句を言わなかったという。4月14日から30日までは浅草座上映したが、その間4月26日興行休み赤坂離宮皇太子嘉仁親王(後の大正天皇の上覧を受けた。さらに5月1日本郷中央会堂の慈善演芸会、5月4日から13日まで再び錦輝館5月21日から横浜座(楽日不明)で上映したその後新居商会ヴァイタスコープ広目屋譲渡し映画興行から身を引いた広目屋興行任され駒田好洋は、6月15日静岡若竹座皮切りに全国各地巡業したが、その際活動弁士として活躍し、「頗る非常」のフレーズ多用した芸風知られた。

※この「新居系ヴァイタスコープ」の解説は、「ヴァイタスコープ」の解説の一部です。
「新居系ヴァイタスコープ」を含む「ヴァイタスコープ」の記事については、「ヴァイタスコープ」の概要を参照ください。

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