技術的設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 04:29 UTC 版)
「Re.2005 (航空機)」の記事における「技術的設計」の解説
Re.2005は軽合金で作られた低翼、単発、単座の戦闘単葉機である。推進力は1,475 hp (1,100 kW)のダイムラー・ベンツ DB 605A-1エンジンのオリジナルのドイツ製か、フィアットがRA.1050 RC.58 ティフォーネ(台風)としてライセンス生産したエンジンが供給した。この機体には右回転、3枚羽根のピアッジオ製P.2001恒速、機械制御、可変ピッチ金属プロペラが備えられていた。流線形だが小型の胴体は、ほぼ燃料タンクとDB 605エンジンに占められていた。胴体搭載のMG 151/20機関砲は、主翼搭載のものよりも少ない携行弾数となっていた(原型2号機から主翼に搭載された機関銃の170発に対して150発)。同等のフィアットG.55は胴体搭載の機関砲に250発搭載していたが、12.7 mm機関銃には600発の搭載だった。より小型なRe.2005は、20 mm弾が100発少ないが、12.7 mm弾は100発多いという、より軽量の兵装を搭載していた。 後部胴体はイタリアの基準でも異例に小さく、無線機、酸素ボンベを搭載し、比較的大きな垂直尾翼を備えていた。コックピットは乗降用に右側に開き、厚さ50 mmの防弾ガラスを備えたキャノピーで覆われていた。その他の防備としては、厚さ8 mmで、重量40 kgになる鋼鉄製カバーがついたシートもあった。シートは近距離では25 mmの鉄板を貫通する能力を有する12.7 mm弾に対しては防御能力が乏しかったが、防弾板は均質鋼よりも防御力を高めるために熱処理されていた。厚い鋼鉄板の重量を考慮して、使用された合金鋼の強度を高めるあらゆる努力が払われ、ヘッドレストは第6隔壁に取り付けられていた。 楕円形と呼ばれることが多い、洗練された主翼設計は、翼厚が根元での15%から翼端で85となる半楕円形である。3本の主桁にはT字断面が採用されている。動翼のほとんどは布張りだが、全金属製の二つの部分からなるスプリットフラップと、静的にバランスが取れたエルロンが含まれていた。燃料は合計525リットルの、翼内の前側に2個、後側に2個の4つの自動防漏式燃料タンク(英語版)に搭載されていた。車輪間隔の広い主輪は外向きに翼内に格納され、尾輪はは完全に格納された。Re.2005は、唯一の油圧動作フラップを備えたイタリア製軍用機だった。Re.2005はもっとも先進的なイタリア製戦闘機だったが、同時にイタリアの工業レベルでは製造するのに先進的すぎ、それ以上高価だったら量産されなかったであろうという、もっとも高価な戦闘機だった。Re.2005の複雑さと小型さが、フィアット G.55を量産するの優れた選択と評価させることになった。
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