戦闘記録
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ティーガー戦車を駆ってソ連戦車150輌以上を撃破したドイツ国防軍戦車エース、オットー・カリウス少尉の著した『ティーガー戦車隊』(英語版題名:Tigers In The Mud) には、レマーゲンの戦いにおいて、彼が率いた上記の第512重戦車駆逐大隊(英語版)(Schwere Panzerjäger-Abteilung 512.)第2中隊に所属する10輌のヤークトティーガーの戦いが記録されている。 カリウスは1945年からは第512重戦車駆逐大隊第2中隊の中隊長としてヤークトティーガー10輌を指揮することとなった。ヤークトティーガーは全重72トンもの重駆逐戦車だが旋回砲塔を持たないため、照準を合わせるには巨大な車体を方向転換させる必要があった。このため、操向変速機、転輪、履帯に過大な負担がかかるという無理のある設計であった。 また、8メートルもの長砲身はわずかな距離でもトラベリングクランプによる砲身固定をせずに走行すると、振動で砲身が揺動し、砲架のギアが摩耗して狂いによる照準誤差が発生したり、砲が使えなくなることも多かった。トラベリングクランプは車体正面の傾斜した前面に設けられており、解除するには乗員が車外に出る必要があった。しかも砲身の解除が必要になるのは戦闘中であることが多かったため、しばしば乗員を危険にさらすこととなった。それまで旋回砲塔のある戦車の指揮官であったカリウスは、全周方向に即応できないヤークトティーガーに非常に苦労させられた。 さらにこれらの技術的問題に加え、1945年のドイツ軍では練度の低下が問題となった。10輌のヤークトティーガーの車長のうち、東部戦線での従軍経験のある指揮官は3人程度で、残る7割は実戦経験が無かった。一例として、うまく偽装されていた2輌のヤークトティーガーの指揮官2人は、約1.5kmという迎撃に最適な距離でアメリカ軍戦車の縦隊を発見したにもかかわらず、存在しないアメリカ軍戦闘爆撃機からの攻撃を恐れて交戦しなかったうえ、現場を放棄して撤退する始末であった。その結果、過重なヤークトティーガーは走行による負荷で2輌とも故障し、うち1輌は自爆処分された。 同様の事態が再び起こることを恐れたカリウスは、部隊を指揮してジーゲン (Siegen) 谷の奥の高所から待ち伏せを行った。しかし、今度は味方であるはずのドイツ市民が谷に侵攻したアメリカ軍へ待ち伏せを通報し、カリウスの攻撃は失敗した。 ヴァイデナウではアメリカ軍戦車と遭遇戦となった。このときアメリカ軍のM4中戦車は直ちに家屋の裏に隠れたが、ヤークトティーガーの128mm砲は家屋を貫通してそれを撃破することに成功している。その直後、アメリカ軍機に発見されて爆撃されたが、損害は無かった。ただしその夜、後退時に爆弾のクレーターに落ちた1輌が破損した。もう1輌は、ヤークトティーガーを見たことの無いドイツの国民突撃隊が誤射したパンツァーファウストにより撃破された。 ウンナを出発してイーザーローンへ向かった時、距離600メートルでアメリカ軍戦車5輌を発見し、カリウスはヤークトティーガー1輌を迎撃に送り出したが、経験の無い車長は迎撃を行えなかった。地形は坂道であったが、敵に発見される前にこれを登りきり、照準可能なよう砲の俯角をとれる場所まで下ることをしなかったため、直ちに射撃できなかったのである。その間、アメリカ軍戦車5輌中2輌は逃走し、残り3輌との砲撃戦が展開された。アメリカ軍の砲撃はいずれもぶ厚いヤークトティーガーの前面装甲を撃ち抜けなかったが、ヤークトティーガーの方も1発も反撃できなかった。この際、前面装甲を敵に向けたまま後退すべきであったが、旋回して側面をさらしたヤークトティーガーは撃破され、6人の乗員全員が戦死した。この戦闘に関してカリウスは「一番良い兵器でも、訓練された兵が扱わねば何の役にも立たない」と記録している。カリウスは、最終的には残存したヤークトティーガーの砲の破壊を命じ、アメリカ軍に投降した。 以上、第512大隊第2中隊のヤークトティーガー10輌の戦果はアメリカ軍戦車1輌撃破のみで、ヤークトティーガー側は1輌が被撃破、1輌は味方の誤射で撃破され、残る8輌は戦わずして故障による放棄や自爆処分という結果に終わった。
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戦闘記録
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日中戦争当時、九一式手榴弾の改良型が日本軍歩兵の標準的手榴弾として登場し、また、第二次世界大戦を通じて様々な作戦に投入された。
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