応用と結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/01 15:22 UTC 版)
本書には、特定の結果やアイディアが多数含まれており、それらをいくつかのテーマに分類することができる。例と応用に共通して見られるテーマの1つに、それほど複雑なものではなくても、おもしろい動作を導き出すことができ、正しい方法論でこの動作を発見することができるということである。 まず「NKS」では、その作成時点において、特定の性質を持つあるクラスで最も単純なシステムとして知られていたものをいくつか紹介している。その中には、複雑性を導き出す最初の原始帰納的関数、最小の普遍的なチューリングマシン、命題論理の最短の公理の例が含まれる。同じようにウルフラムは、伝統的な科学ではお馴染みの相転移、保存量と連続体挙動、熱力学などの現象を示す多数の単純なプログラムの例も挙げている。このテーマに当てはまる応用例として、貝の成長、液体乱流、葉序などの自然界における単純な計算モデルも含まれている。 よく見られるもう1つのテーマに、計算世界を全体として捉える事実を使って、総体的な方法で分野について理論づけるということがある。例えばウルフラムは、計算世界についての事実がいかに、進化論、地球外知的生命体探査、自由意志、計算複雑性理論、および存在論、認識論、ポストモダニズムなどの哲学分野について教えてくれるかについて論議している。 ウルフラムは、計算の非簡約性の理論が名目上は決定論的である世界における自由意志の存在に対する解決方法を提供するかもしれないと提言する。彼は、自由意志を持つ生き物の脳における計算過程が実際には複雑すぎて、計算の非簡約性のせいで、より単純な計算において捉えることができないと仮定する。このため、過程は正に決定論的ではあるが、生き物の意志は、原則として実験を行い、生き物に行使させることでしか見極められない。 本書には、特定のオートマトンが何を計算するか、あるいはその性質が何であるかについて、いくつかの分析メソッドを使った実験的および解析的な個々の結果も多数含む。 特定の技術的結果の新しいものが1つ本書には含まれている。これは、ルール110セルラーオートマトンのチューリング完全についての記述である。Rule 110は非常に小さいチューリングマシンによってシミュレートすることができ、そのような2、5万能チューリングマシンが与えられる。ウルフラムは、特定の2、3チューリングマシンが万能であるとも推測する。2007年には、本書出版の5周年記念として、(2, 3)マシンの万能性を証明した人に$25,000の賞金が送られた。
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応用と結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/27 02:05 UTC 版)
偏角の原理は有理型関数の零点と極をコンピューターで効率的に位置を決めるために使うことができる。誤差を丸めたとしても式 1 2 π i ∮ C f ′ ( z ) f ( z ) d z {\displaystyle {1 \over 2\pi i}\oint _{C}{f'(z) \over f(z)}\,dz} は整数に近い結果を生み出す。異なる経路 C に対してこれらの整数を決定することによって零点と極の位置についての情報を得ることができる。リーマン予想の数値テストはこのテクニックをクリティカルラインと交わる長方形の内部のリーマンの ξ ( s ) {\displaystyle \xi (s)} 関数の零点の個数の上界を得るために使う。 ルーシェの定理の証明は偏角の原理を使う。 Feedback control theory に関する現代的な本はかなり頻繁に偏角の原理を Nyquist stability criterion(英語版) の理論的基礎として用いる。 偏角の原理のより一般的な定式化の結果は、次のようなものである。同じ仮定の下で、g が Ω の解析的関数であれば、 1 2 π i ∮ C g ( z ) f ′ ( z ) f ( z ) d z = ∑ a n ( C , a ) g ( a ) − ∑ b n ( C , b ) g ( b ) . {\displaystyle {\frac {1}{2\pi i}}\oint _{C}g(z){\frac {f'(z)}{f(z)}}\,dz=\sum _{a}n(C,a)g(a)-\sum _{b}n(C,b)g(b).} 1 2 π i ∮ C z k f ′ ( z ) f ( z ) d z = z 1 k + z 2 k + ⋯ + z p k , {\displaystyle {\frac {1}{2\pi i}}\oint _{C}z^{k}{\frac {f'(z)}{f(z)}}\,dz=z_{1}^{k}+z_{2}^{k}+\dots +z_{p}^{k},} は f の根の power sum symmetric polynomial(英語版) である。 別の結果は、複素積分 ∮ C f ( z ) g ′ ( z ) g ( z ) d z {\displaystyle \oint _{C}f(z){g'(z) \over g(z)}\,dz} ∑ n = 0 ∞ f ( n ) − ∫ 0 ∞ f ( x ) d x = f ( 0 ) / 2 + i ∫ 0 ∞ f ( i t ) − f ( − i t ) e 2 π t − 1 d t . {\displaystyle \sum _{n=0}^{\infty }f(n)-\int _{0}^{\infty }f(x)\,dx=f(0)/2+i\int _{0}^{\infty }{\frac {f(it)-f(-it)}{e^{2\pi t}-1}}\,dt.}
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