平城京・恭仁京の大極殿とは? わかりやすく解説

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平城京・恭仁京の大極殿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/20 10:24 UTC 版)

大極殿」の記事における「平城京・恭仁京の大極殿」の解説

恭仁京くにきょう遷都までの大極殿第一次大極殿奈良に都が戻ってからの大極殿第二次大極殿という。第一次大極殿平城宮正門である朱雀門真北位置し第二次大極殿平城宮寄り壬生門北に位置している。第二次大極殿跡は近世まで大黒ダイコク)の」と呼ばれた基壇残っていた。この命名は、平城京遷都当初朱雀門北の地域大極殿設けられたものの、恭仁京大極殿規模一致するころから745年天平15年)に壬生門北に移動したものと考えられたためであったが、第二次大極殿跡の下層から掘立柱建物遺構検出され、それが大極殿朝堂院と同じ建物配置をとることから、結局奈良時代前半には朱雀門北の広大な前庭をもち朝堂2堂をともなう第一次大極殿中央の大極殿)と壬生門北の朝堂12堂よりなる太政官院のさらに北にある内裏南面大極殿東側大極殿)の2棟あることがわかった中央の第一次大極殿周囲築地回廊囲まれ、南の朝堂区域とつながる「閤門」があった。この区域は「大極殿院」と呼ばれる。広い前庭ともない前庭から1段高位置大極殿建設されているが、これは平安宮龍尾壇竜尾壇 りゅうびだん)の原型考えられる正月元日には大極殿前庭七本宝幢ほうどう)が立てられ諸臣朝賀が行われた。他に、即位式外国使節謁見などの朝儀空間として使用されていたと考えられる元正天皇聖武天皇即位大極殿院でおこなわれている。 それに対し第二次大極殿下層東側大極殿は、日常朝政にあたる空間だったと考えられこのような機能分化は、唐長安城太極宮太極殿大明宮含元殿の影響を受けたもの指摘される奈良時代後半は、中央の第一次大極殿院の跡地朝儀の場としては使われなくなり儀式機能東側壬生門北の第二次大極殿集約されたものと考えられる。したがって壬生門北は、北より<内裏大極殿12堂の朝堂よりなる太政官院朝堂院)、2堂の朝集殿壬生門>が一直線建ち並ぶ形態となり、壬生門入ってすぐ北の両側には東に式部省、西に兵部省建物があるという配置となった第一次大極殿地区に関しては、仁藤敦史木簡史料みられる西宮」を第一次大極殿地区想定している。すなわち、饗宴などに用いられてきた第一次大極殿地区居住区画に改造されたとみる。その改造は、発掘調査の成果からは、平城京への還都745年直後ではなく早くとも天平勝宝年間749年-757年以降考えられており、天平神護765年-767年)のころには積極的な改造なされた形跡がない。仁藤は、このことを天平勝宝元年聖武天皇孝謙天皇への譲位、すなわち「聖武上皇」の成立と深い連関があるのではないか推測している。 なお、奈良建都1300年に当たる2010年合わせ平城宮跡第一次大極殿実物大復元された。(→平城遷都1300年記念事業復元され平城宮第一次大極殿屋根には、中国古代建築類例倣い大棟中央飾り設置されている。ただし、これまで平城宮跡からは大棟中央金具出土例がない。そのため、奈良時代前後事例および資料収集調査通じ、この金具意匠設計進めたという。宝珠形の大棟中央飾り類例として、初唐敦煌莫高窟第338窟壁画邸宅宮殿?)、隋の訓西西安出土仏殿形式石棺などがある。 平城宮 第1次大極殿復元)の宝珠大棟中央飾り 平城宮 第2次大極殿

※この「平城京・恭仁京の大極殿」の解説は、「大極殿」の解説の一部です。
「平城京・恭仁京の大極殿」を含む「大極殿」の記事については、「大極殿」の概要を参照ください。

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