岡山大学医学部病理学教室とは? わかりやすく解説

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岡山大学医学部病理学教室

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 16:51 UTC 版)

綿ふき病」の記事における「岡山大学医学部病理学教室」の解説

田尻岡山外科会での発表先立ち岡山大学組織病理学教室病理学博士である赤木制二に研究協力求めた田尻からの報告聞き、N農婦産出したという綿束を手に取った赤木も、最初患者によるトリックであろう疑い1959年昭和34年)の6月に、岡山医科大学病理学教室同僚数名引き連れて田尻医院訪れた。 N農婦対面した赤木病理学教室同僚らと数日間にわたり、患部様子昼夜通して観察した全身10数か所におよぶ各々創口には水っぽい肉芽があり、その中央付近に膿にまみれた綿束の固まり溜まっており、これらを除去して包帯交換するものの、24時間後に包帯を外すと再び膿にまみれた綿束が溜まっている。そのようなことを何度も繰り返し確認し、これはトリックなどではなく田尻医師報告内容間違いはない、と赤木確信する病巣部を病理組織学的に表現すれば異物肉芽腫ということになる。信じられないことではあるが、人体から産出される以上、この綿束様のものが真のワタ属(Gossypium spp.英: cotton plant)であるなど理論的に成り立たない赤木考え植物学者繊維学者らに鑑定願い出たその結果次節詳述する)は、まぎれもなく自然界存在するワタ属種皮であった。 そこで赤木病理組織学観点から詳細な検査続け排出された綿の中に正体不明異物巨細胞 と、その細胞から延長した思われる異様な繊維束が形成されていることを確認した。この異物巨細胞ヒトの皮膚皮下組織皮膚の創傷組織含む)には見られないものであったまた、創口切開時に膿瘍壁面から採取した組織中には上皮のような細胞存在しており、この細胞染色体数ヒトの細胞染色体数比較して非常に少ない数値であった形成される繊維束の内腔には原形質を持つものがあってコハク酸脱水素酵素活性化確認された。これらの現象未知細菌微生物による作用ではないか考え細菌学観点から血液創口の膿を採取し細胞培養試験複数行った結果として種々の雑菌分離することこそできたものの、手掛かりとなる病原微生物確認できなかった。 これらを踏まえ赤木次のような仮説立てた。N農婦創口確認され異物巨細胞崩壊傾向示していて、これら細胞質中央付近に幼若綿毛のような物質出現してくる。これは人体にとっては明白に異物である綿毛分化する途上の綿の幼若細胞を、人体側の貧食細胞かろうじて捕らえている(細胞性免疫)ものの、それらを細胞内消化できずに、むざむざ綿毛への分化許してしまっているのではないか。N農婦膿瘍内部では幼若種皮細胞相当する細胞が、ある種培養状態が継続していると解釈でき、飛躍した考えであるが、これは顕花植物組織寄生ではないのか、患者側からみると綿の種皮細胞による全身感染症であり、綿の側からみれば綿の種皮細胞人体寄生ということになる、との仮説立てた細菌などの単細胞生物人体感染することは日常茶飯事である。それが顕花植物の、それも一部分組織だけが昼夜絶え間なく人体作り出されるということは前例がなく、仮に原因が綿の細胞感染よるものだとすれば、その感染どのようにして起こったのか、はたしてN農婦聞いてみると1938年昭和13年)から約5年間の期間、自家用の綿を得るため小規模な綿栽培行っていた過去確認された。因果関係不明であるものの、仮にこのときの侵入原因だとするなら発病までに10年以上を要したことになる。 .mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}N農婦から排出した綿毛生検顕微鏡画像 皮下膿瘍壁の生検顕微鏡画像。好酸性小胞体をもつ細胞群が見られる肉芽組織の多巨細胞手書きの黒矢印○印囲んだ内側)には幼若綿毛のような物質出現している。 ↑印は綿毛先端部。○印根本側の端。ほぼ同じ太さ平らな繊維で、長さは5センチほど。特有のねじれを持っており、腔(こう)が認められる。 創に生じる綿は完熟した綿毛だけでなく、このような500µmにも満たない綿毛混在している。 綿毛顕微鏡画像3枚。左の↑印は先端尖部。中央の↑印は根本側端部。右の↑印付近内腔には原形質物質残存し苛性ソーダ処置するセルロース陽性反応を示す。

※この「岡山大学医学部病理学教室」の解説は、「綿ふき病」の解説の一部です。
「岡山大学医学部病理学教室」を含む「綿ふき病」の記事については、「綿ふき病」の概要を参照ください。

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