山車の役員
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 06:13 UTC 版)
山車によって多少の違いはあるが、おおむね次の通りである。 頭取 山車の代表であり最高責任者。山車の運営や方針を決定するほか、実行委員会と連携して山車の潤滑な運行等にも関わる。服装は浴衣の上に「頭取」と染め抜いた専用の羽織を着て飾り綱を肩に掛け、雪駄を履き、「頭取」の名を記した記章を付ける。夜は「頭取」の名を書いた弓張提灯を携行する。 姥神大神宮前に集まる各山車の頭取達(2017年8月11日撮影) 顧問・相談役 山車の運営や方針などの決めごとに際し、頭取や役員への助言や相談を行う役。頭取経験者や役員経験者がなる事が多い。山車に参加する際の服装の決めごととして、最低でも各山車専用の半纏を着て記章を付けていれば良いが、浴衣・羽織・雪駄姿の時もある。夜は専用の弓張提灯を持つ事もある。 頭取代行 頭取を補佐する役割を持つ。また、頭取が「先導山車定めの儀」などで山車を離れて不在の時などで、その名の通り頭取の代わりに山車を取り仕切る役割もある。服装は浴衣・羽織・雪駄姿となって飾り綱を肩に掛け、「頭取代行」の記章を付けている。夜は「頭取代行」などと書かれた弓張提灯を持つ。 総副頭取 頭取を補佐すると同時に、その下の副頭取を統括する役割を持つ。時に頭取代行と同じく、頭取の不在時に山車を取り仕切る役割もある。服装は浴衣・羽織・雪駄姿で「総副頭取」の記章を付けている。夜は「総副頭取」などと書かれた弓張提灯を持つ。 副頭取 山車の潤滑な運行に関する、若者頭・若衆(ともに後述)・その他山車参加者の取り仕切りを行う。他にも山車巡行に伴う交通整理や、御祝儀集めの筆頭、切り声の下声参加などとしても動く。服装は浴衣・羽織・雪駄姿で、「副頭取」と書かれた記章を付けている。夜は「副頭取」と書かれた弓張提灯を持つ。 取締 副頭取の補佐や、若者頭以下若衆の統括をする。山車進行(後述)の役割を担う事もある。服装は「取締」の記章を付けた上での刺子半纏が基本だが、通常の半纏の事もある。刺子半纏の下は鯉口シャツかサラシ巻き・パッチ(股引)・地下足袋の服装が多い。夜は「取締」と書かれた弓張提灯を持つ事がある。 若者頭 副若者頭以下、若衆を統括する役割を持つ。切り声では本唄を担当する事が多い。服装は「若者頭」と染め抜かれた専用の刺子半纏を着用した上で「若者頭」の記章を付け、下は鯉口シャツかサラシ巻き・パッチ(股引)・地下足袋の服装をしている。夜は「若者頭」と書かれた弓張提灯を、役員達の山車先導に同行する際などに持つ事があるが、山車の運行に直接携わる事が多いので、普段は弓張提灯は持たない事が多い。 副若者頭 主に若者頭の補佐をし、山車の引き手等としての運行にも携わる。他にも切り声の参加において若者頭の代わりに本唄を担当したり、お囃子の練習の長としてお囃子要員の指導にも当たる。服装は刺子半纏を着用した上で「副若者頭」の記章を付け、下は鯉口シャツかサラシ巻き・パッチ(股引)・地下足袋の服装をしている事が多い。 若衆 若者頭・副若者頭の補佐をし、山車の引き手等としての運行にも携わる。他にも切り声の参加において主に下声を担当したり、副頭取と共に御祝儀集めのお供として動く事もある。服装は刺子半纏を着用した上で「若衆」の記章を付けるのが基本で、下は鯉口シャツかサラシ巻き・パッチ(股引)・地下足袋の服装をしている事が多い。 山車進行 若衆の中で、主に舵・ブレーキなどの山車の動きに伴う操作や、山車の出発・停止の合図を出すための人員。山車の引き手としても動くほか、高張提灯の持ち手なども担当する。服装は刺子半纏を着用した上で「山車進行」の記章を付けるのが基本で、下は鯉口シャツかサラシ巻き・パッチ(股引)・地下足袋の服装をしている事が多い。 総務 山車の引き手・押し手となるほか、御祝儀集めの要員となるなど、山車の中では様々な活躍をする。服装は通常の半纏に記章を付けている。 事務局 会計事務や、町・姥神大神宮・実行委員会との関係を取り持ったり、物品や機材の手配等に伴う業務を行う。服装は最低でも山車の半纏を着用して記章を付けているが、浴衣・羽織・雪駄姿で記章を付けている事もある。 子供世話・宿世話係 山車参加者の子供に飲食物の配布・熱中症予防・降雨時のレインコートの配布などの対応などをしたり、昼間巡行終了後の夕食における宿や食事の準備・撤収などにあたる。町内の成人女性が主に担当する事が多い。服装は半纏に記章を付けたものを着用している。 線取 山車の最上段に立ち、山車が電線の下をくぐる際に、専用の刺又状の道具を使用して、電線が依り代の木や人形等にぶつからないように避けるための担当人員。通常は6名程で構成され、主に高校生が担当する。服装は半纏に記章を付けていれば良いが、最上段で一番目に付く場所に陣取っているため、鯉口シャツやサラシ巻き・パッチ(股引)を好んで着用する事が多い。履き物は高所への梯子等での上り下りに危険が伴わないよう、脱げやすい雪駄は嫌われ、地下足袋かスニーカーが好まれる。
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