導力飛行船
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「英雄伝説 軌跡シリーズ」の記事における「導力飛行船」の解説
七耀暦1168年(本編の時代のおよそ35年前)にアルバート・ラッセルとツァイス技術工房によって実用化された、空を飛ぶ乗り物。ヘリウムなどの気体を使って浮く現実世界の飛行船とは異なり、浮力は導力によって発生させ、速度も速い。導力機関から生み出されたエネルギーを飛翔機関によって変換し反重力フィールドを生み出すことで自ら浮力を発生させ、垂直離着陸やホバリングが可能。作品世界中では、国内や国外の都市間を結ぶ公共交通として旅客飛行船が広く普及しているほか、軍事用途でも用いられている。小型の飛行艇も含め、船内は多層構造になっており、導力機関を用いる都合上、船内に機関室を持つ。 作品中の世界には翼による揚力を用いた飛行機は存在せず、熱気球の類も登場しないため、一般的な乗り物としては空を飛ぶ唯一のものとして登場している。以下、作品中に登場する主だった導力飛行船について記述する。 旅客飛行船 七耀暦1175年に実用化された、公共交通機関としての飛行船。飛行速度は時速900セルジュ(時速90km)ほど。 ツァイス中央工房(ZCF)製の船(全長30アージュ)として、リベール王国のリンデ号、セシリア号、国際定期便のグレトナ号、旅客船をベースにした移動工房船ライプニッツ号が登場している。 大型のものとしては、ラインフォルト社製のルシタニア号(全長150アージュ)が登場している。 飛行艇 七耀暦1192年の《百日戦役》に際してアルバート・ラッセルが開発した警備飛行艇をはじめ、小型の導力飛行船は「飛行艇」と呼ばれる。基本的に軍用だが、エレボニア帝国の貴族では私有している者も少なくない。最高時速は山猫号では2,300セルジュ(時速230km)に達する。従来の旅客飛行船に比べて小型で、高速で、かつ小回りが利く。 飛行艇を最初に開発したリベール王国のツァイス中央工房(ZCF)のほか、エレボニア帝国のラインフォルト社、カルバ―ド共和国のヴェルヌ社が製造している。結社《身喰らう蛇》も独自の飛行艇を多数保有し、結社の飛行艇はステルス機能を搭載する。 船名を持つ主な船としては、カプア兄弟の山猫号が登場。飛行艇よりやや大型で、かつ下記の船種に当てはまらないものとしては、猟兵団《赤い星座》の強襲揚陸艦ベイオウルフ号、「暁」で試験班が運用している病院船エインセル号が登場している。 高速巡洋艦 七耀暦1202年にリベール王国が完成させた軍用の導力飛行船。飛行艇に比べると倍以上の全長があり、飛行艇が運用のために必要な最低限の船内設備しか持たないのに対し、作戦会議室や格納庫などの多用途設備を有する。 最高速度は「空3rd」時のアルセイユで最高時速3,600セルジュ(時速360km)ほどで、作品中の全船種の中で最も速い。武装として、対空砲のほか、船首部に主砲を格納している。 『閃』までに、リベール王国軍のアルセイユ(全長42アージュ)と、その2番艦でエレボニア皇室が保有するカレイジャス(全長75アージュ)、3番艦で同じくエレボニア皇室が保有するカレイジャスIIの3隻が登場している。 飛行戦艦 軍用の導力飛行船。非常に大型であることが特徴で、飛行艇、機甲兵のような大型兵器を船内に多数格納して運用することができる。 ルシタニア号のような大型の旅客飛行船と比べてもサイズが大きいため、エレボニア帝国ではパンタグリュエルを運用するために空港設備の拡張が必要になった。 『閃』で、エレボニア帝国のパンタグリュエル(全長250アージュ)、ガルガンチュア級(全長250アージュ)、カルバ―ド共和国のバテン=カイトス級(全長200アージュ)が登場している。 《紅の方舟》グロリアス 『空』と「閃IV」に登場。結社《身喰らう蛇》が運用する戦闘空母で、使用には《盟主》の許可を必要とする。 全長280アージュという作品中でも最大サイズの巨体を誇る船で、多数の強化猟兵や人形兵器を収容するだけでなく、12隻の飛行艇を格納し、ゴルディアス級戦略人形兵器の運用にも対応する。兵装としては、主砲のほか、多数の自動砲台を備える。結社の飛行艇と同様、ステルス機能を搭載しているため、通常のレーダーでは捕捉できない。 導力機関には22基のエンジンを搭載し、高度8,000アージュを飛行。 船内にある《聖堂》から《星辰の間》に接続することができる。 特殊作戦艇《メルカバ》 「the 3rd」、「碧」、「閃IV」に登場。星杯騎士団が極秘裏に運用する飛行艇で、守護騎士(ドミニオン)1人に1隻の専用艇があり、計12隻存在する。操縦は数名の従騎士が担当。 エプスタイン財団の協力で完成。七耀暦1178年には存在しているため、完成はリベール王国の警備飛行艇より早い。 古代遺物《天の車》を用いているため、厳密には他の「導力飛行船」とは異なる。導力によって動くところは他の飛行船と共通だが、原動機として、導力機関ではなく、霊子機関を機関部に持つ。飛行船としては小回りが効き、《神機》アイオーンType-βと単機で交戦したこともある。 一般的な飛行艇に比べると船体が大きく、内部には休息設備や工房設備を持つ。外装は鏡面装甲で覆われ、レーダーからのステルス機能だけでなく、光学迷彩機能も有する。
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