婚礼調度類とは? わかりやすく解説

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婚礼調度類〈(徳川光友夫人千代姫所用)/〉

主名称: 婚礼調度類〈(徳川光友夫人千代姫所用)/〉
指定番号 254
枝番 00
指定年月日 1996.06.27(平成8.06.27)
国宝重文区分 国宝
部門種別 工芸品
ト書
員数
時代区分 江戸
年代
検索年代
解説文: 寛永十六年(一六三九九月二十一日三代将軍徳川家光長女千代姫が、二歳か月年齢尾張徳川家二代藩主ある光友に嫁いだ際に携えた婚礼調度類の一群である。
 本婚礼調度中核をなす初音蒔絵調度【はつねまきえちようど】は、棚飾り貝合わせ中心に、諸調度まとまった大揃い婚礼調度である。蒔絵意匠『源氏物語』初音の巻より取材したもので、殿舎庭園の景を表し明石の上詠んだ年月にひかれてふる人にけふうぐいす】の初音きかせよ」の文字実際モチーフとして表す)を散らしている。金銀高蒔絵たかまきえ】を中心に金銀切金きりかね】や金貝かながい】、紅珊瑚【べにさんご】などをふんだんに使用した細緻蒔絵により、優美華麗な王朝世界表現されている。胡蝶蒔絵調度【こちようまきえちようど】も同様に『源氏物語』胡蝶の巻に取材しており、池に龍頭鷁首【りゆうとうげきしゆ】を浮かべた邸内様子表した意匠統一されている。これら二種の調度類については、幕府お抱え蒔絵師であった幸阿弥十代長重の手になることが『幸阿弥家伝書』より明らかとなっている。
 初音胡蝶蒔絵調度は、卓越した技術用いあらゆる蒔絵技法駆使した優品であるとともに製作者製作年代、製作の経緯判明する稀有な例であり、さらには婚礼調度類としてまとまって遺存する最古一括資料であることから、早く昭和二十八年重要文化財指定されている。しかし、千代姫の婚礼調度類がこれにとどまらないであろうことは、ほぼ同時期の、徳川家光養女亀姫加賀前田家四代光高に嫁いだ際の三百余種にものぼる婚礼調度類の記録清泰公諸器帳」に、膳椀具、服飾類書籍類など多種多様品々記載されていることからも推察され、近世大名婚礼調度実態を知るうえでは蒔絵香箱以下の品々欠かすことのできない重要な存在である。かついずれも寛永期における工芸技術水準の高さを如実に物語作品であり、総体として工芸史上文化史上の記念碑的作例ともいうべき重要な存在意義有している。



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