失神のマネジメントとは? わかりやすく解説

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失神のマネジメント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 16:37 UTC 版)

失神」の記事における「失神のマネジメント」の解説

大脳皮質全体、あるいは脳幹血流瞬間的に遮断されるような病態失神は起こる。頻度としてはほとんどが循環器疾患である。脳血管障害、特にTIAよるものは非常に稀である。これは解剖学によって説明ができる。大脳皮質全体血流遮断するには脳を灌流する4本の血管左右内頚動脈椎骨動脈)を同時に遮断しなければならない血管病変では、これは非常に可能性が低い。事実多く格闘技でいわゆる絞め技でも瞬時相手失神させることはできないことから明らかである。例外として脳底動脈遮断され場合失神起こしえる。症状意識障害のみではTIA診断基準満たすことはできない脳底動脈領域TIA場合意識消失の前または後に神経脱落症状多く複視片麻痺小脳失調脳神経所見)が認められるのが一般的である。 失神で特に危険なのは致死的不整脈、すなわち心室細動心室頻拍一過性起こった場合である。致死的不整脈による失神本当に瞬時に起こるため受け身をとることができない。そのため顔面外傷などの合併をみたら念入りに心疾患を探さなければならない失神患者を診る場合は必ず失神原因検索(大抵は不整脈原因なのでまずは心電図必要なら不整脈原因となる心疾患検索する)と外傷検索同時に行うことである。特に頭部打撲ではネックカラーによる固定必要ならばJATECプロトコールにて対処を行う。わずかながら存在する脳血管性の失神場合失神後、頭痛麻痺などの症状が伴う場合が多い。このような神経学的異常や頭部外傷認め場合頭部CT施行する価値はあるがルーチンとしては特に必要ではない。失神痺れ訴え患者などでは非常に悩ましい近年脳ドック普及などによって微小梗塞数多く指摘されるようになり、それに伴い痺れ脳梗塞前駆症状ととらえる人もいる。しかし基本的に痺れはほとんどの場合脳血管障害と関係はないとされている。 重要な情報としては病歴疼痛悪心下痢吐血下血メレナなどがあるか、バイタルサイン動き眼瞼結膜貧血頸動脈狭窄音、心雑音直腸診による便潜血などがある。検査としては一般的な検査のほかに血糖、ラピチェック、トロップT、D-ダイマー測定することが望ましい。血液ガスにて代謝性アシドーシスがないということは痙攣との鑑別となる。 救急室では34%もの失神原因不明となってしまうとされている。厳密な原因の分析困難な場合重篤疾患スクリーニングを行う場合がある。この時に重要視する失神原因大きく分ける4つであり、心血管性失神起立性失神(特に出血脱水貧血)、血管迷走神経反射性失神薬剤性失神である。これらの原因スクリーニングとしては心電図血算妊娠反応がよく用いられる失神患者重篤不整脈がある可能性があるので原則として入院が必要である。ただし、神経原性失神起立性低血圧飲酒時の失神心因性失神診断がついていればそのまま帰すことができる。またこれらの診断のみならば予後変化することはない(見落としなければ)。高齢者の場合入念な精査必要になる場合もあるので、入院念頭に置いた方が無難だとされている。

※この「失神のマネジメント」の解説は、「失神」の解説の一部です。
「失神のマネジメント」を含む「失神」の記事については、「失神」の概要を参照ください。

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