心血管性失神
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 16:43 UTC 版)
心血管性失神であった場合は1年後の突然死のリスクが18 - 33%もあるため最も重要な原因のひとつである。心血管性失神を除外できない場合は入院が必要となることがある。心血管性失神の赤旗徴候(red flag)としては以下の項目が知られている。 前駆症状(神経脱落症状など)のない5秒以内の意識消失 仰臥位発症、労作時発症 失神の前に胸痛、動悸、息切れが伴った場合 65歳以上 心疾患のリスクや心不全がある場合 突然死の家族歴 心電図異常 心電図異常には心室性不整脈、MobizⅡ型やⅢ度房室ブロック、虚血性変化、QT延長症候群、徐脈性心房細動、脚ブロック、WPW症候群などであり非特異的ST変化は含めないことが多い。リスクの評価としては予後分析であるOESIL risk scoreや入院適応を決めるサンフランシスコルールというものが知られている。 OESIL risk score 65歳以上、既往歴で心疾患、前駆症状なし、心電図異常ありがそれぞれリスクとなり、その数によって生存率が分かれる。該当項目が0個ならば1年後死亡率0%、1個ならば0.8%、2個ならば19.6%、3個ならば34.7%、4個ならば57.1%となっている。 サンフランシスコルール 収縮期血圧90mmHg以下、息切れ、鬱血性心不全の既往、心電図異常(洞調律以外、以前の心電図より変化)、ヘマトクリット30%以下のうちいずれも認めない場合は入院精査を行わなくてもよい。 肺梗塞、大動脈解離の否定にはDダイマーの測定が有効とされている。
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