大和竹林寺忍性墓出土品
主名称: | 大和竹林寺忍性墓出土品 |
指定番号: | 430 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1987.06.06(昭和62.06.06) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 鎌倉 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 鎌倉極楽寺開山良観上人(忍性)は嘉元元年、鎌倉で入寂後、遺命によって遺骨を極楽寺、大和額安寺【かくあんじ】、同竹林寺に分置した。その骨蔵器は前二寺では既に発掘調査等で明らかになり、共に重要文化財として保存の措置がとられている。竹林寺では、昭和六十一年、忍性墓の修復工事に伴う調査が行われ、その墓域、骨蔵器等が明らかになった。本件は、墓壙内から出土した良観上人の銅骨蔵骨【どうこつぞうき】(嘉元元年八月日良観上人舎利瓶記刻銘【しやりへいきこくめい】)一合、およびそれを納置する花崗岩製の石櫃【いしびつ】(座石共)一合と、追葬された結縁者等の遺骨を収める小石櫃、陶製骨蔵器、金銅骨蔵器【こんどうこつぞうき】等の一括である。 良観上人の銅骨蔵器は鋳造挽物、総高二十九・七センチを計り、外反気味の口縁部に細長い頸部をつけ、木爪形【もつこうがた】の胴部に蓮台がつく。蓋は笠形の被蓋造りで、その頂きに受座付宝珠鈕【ほうじゆちゆう】をつける。額安寺のそれと全く同様の姿形を呈し、また胴部に刻む二十四行の銘文も同じで、同一作者による作品とみることができる。鎌倉時代を代表する高僧の骨蔵器としてふさわしいものである。 また石櫃も精緻なつくりであるが、その形状は八角方柱形、総高九八・八センチを計る。行基の骨蔵器の外容器が八角石筒であったことを考えると、行基を追慕した忍性の外容器も、それに習った形態にしたものと思われ興味深い。また追葬の金銅骨蔵器等も額安寺のそれと同一の出土状態・内容を示し、両寺の密接なつながりを示している。 良観上人は関東における仏教教化、慈善救済等の実践者として、中世宗教史上著者な人物である。その略伝を刻し、遺骨を収めた骨蔵器は歴史的に貴重であり、また金工史上の稀有な資料としても学術的価値が高い。なお追葬の金銅骨蔵器・銅骨蔵器等は附指定すると共に、陶製骨蔵器内に納入されていた陀羅尼種子等墨書の舎利一括も、保存をはかりたい。 |
考古資料: | 大和新沢干塚一二六号墳出土品 大和東大寺山古墳出土品 大和法輪寺塔心礎納置銅壺 大和竹林寺忍性墓出土品 大和般若寺石造十三重塔内納置品 大和金峯山山頂出土品 大和金峯山経塚出土品 |
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