夏の甲子園専門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 06:51 UTC 版)
夏の大会から9年後に春の大会が始まった。回を重ねるごとに春夏の甲子園出場の高校が増えてくる一方で、夏の甲子園しか出場できていない高校もある。原則1府県1校の夏と違い、春は1地区2、3校と甲子園の出場枠が狭いため、特に夏に比べ枠の数が少ない地区で顕著である(例:東北地区、北信越地区)。 新潟の中越は1978年夏に甲子園へ初出場を決め、2018年夏に新潟県勢最多の11度目の夏の甲子園出場となったが、春の甲子園には一度も出場していない。また岩手の福岡も1927年夏から1985年夏まで10度甲子園に出場しベスト8進出も2度あるが、春の甲子園には一度も出場していない(1928年と1929年には、選抜されたが予算不足で辞退)。夏の甲子園に2ケタの出場経験があり春出場なしというのは福岡と中越の2校しかない(戦前は満州・朝鮮・台湾からも出場があり、満州の大連商が夏12回出場し準優勝もありながら、春の出場がないという例がある)。長年福岡が春未出場の夏の甲子園最多出場校として知られていたが、2018年に中越が抜いた。 また佐賀北は夏5回の出場があり2007年夏には優勝経験があるが、春の甲子園には一度も出場していない。夏の甲子園優勝経験がありながら春の甲子園に出場経験がない学校は佐賀北と三池工(優勝した1965年夏のみの甲子園出場)の2校のみである。 夏の出場回数の方が極端に多い高校は他にもあり、青森の青森山田は夏は2004年から2009年までの6年連続で出場し、計10回出場して11勝をあげているが、春の出場は2005年・2016年の2回のみで、いずれも初戦敗退に終わったため春は未勝利である。2ケタ以上の甲子園勝利がありながら春の勝利がない学校は2019年現在、青森山田と沖縄の浦添商(出場1回)だけである。 主に夏に強い学校を「夏将軍」「夏の○○」と呼ぶ。北海道の駒大苫小牧、京都の龍谷大平安(旧平安)、広島の広島商、愛媛の松山商、高知の明徳義塾、沖縄の沖縄水産などが代表例である。 北海は夏39回出場、夏の甲子園の出場校で全国最多出場、春は13回出場。 駒大苫小牧は夏7回出場し、2004年から3年連続で決勝に進出して2年連続優勝・準優勝1回だが、春は4回出場で2勝。 秋田は夏19回出場、第1回大会の準優勝校。春は5回出場で1勝。 秋田商は夏18回出場、春は6回出場。 日大山形は夏18回出場し、1983年から2017年までの間には12回夏の甲子園出場がありベスト8とベスト4進出が1回ずつあったが、春はその間出場がなく1982年の次の出場が2018年であった。 鶴岡東は夏は6回の出場があるが、春は1978年を最後に出場していない。2020年春の選抜に42年ぶり2回目の出場が決定していたが、新型コロナウイルスにより大会中止となり出場は幻になった(記録上は2020年春の出場もカウントされるため春の出場回数は1978年と2020年の2回)。 酒田南は夏は10回の出場があるが、春は1回のみで2002年を最後に出場していない(未勝利)。 日大東北は夏は8回の出場があるが、春は出場がない。 前橋育英は夏は6回出場、2013年初出場初優勝。2016年から5大会連続出場しているが、春は2回出場で1勝。 花咲徳栄は夏7回出場し優勝1回。春は5回出場で3勝。 松商学園は夏37回出場し優勝1回。春は16回出場し準優勝が2回。 佐久長聖は夏は8回の出場がありベスト4が1回、2012年から2018年までは1年おきに出場していたが、春は1回のみで1997年を最後に出場していない(未勝利)。最近では2016年と2020年の2度選抜補欠校になっている。 富山商は夏16回出場しベスト8が2回。春は6回出場で2勝。 高岡商は夏21回出場しベスト8が1回。春は5回出場で1勝。 星稜は夏は20回出場で準優勝2回。春は15回出場でベスト8が4回。 近江は夏は15回出場。春は6回出場。夏と春共に準優勝1回。 龍谷大平安は2019年春までに通算75回出場し、夏の大会では優勝が3回、準優勝が4回あるが、春は長年にわたりベスト4が最高で優勝がなく、2014年の大会において38回目の出場で初めて優勝した。 智弁和歌山は夏は25回出場で優勝3回。春は14回出場で優勝1回。 石見智翠館(旧江の川)は夏は11回の出場でベスト8は2回とベスト4が1回あるが、春は1994年の1回のみで、その時は甲子園史上2度目の完全試合で敗れたため春はまだ勝利やヒットはおろかランナーも出したことがないという記録がある。 倉敷商は夏11回出場しているが春は4回しか出場しておらず、うち1回は新型コロナの影響で中止となっている。 松山商は夏優勝5回・春優勝2回あり、1966年以降に夏は優勝2回・準優勝2回あるが、春は1962年を最後に勝利がない。甲子園通算80勝のうち4分の3の60勝が夏の勝利である。 明徳義塾は夏優勝1回。春はベスト4が最高、初戦敗退は4回ある。 大分商は夏15回出場しベスト8は4回、春は6回出場しベスト8は1回。 鹿児島商は夏13回出場して14勝に対し、春は12回出場して1勝と春の勝率が極端に低い。 沖縄水産は夏9回出場して20勝・準優勝2回(20勝はすべて春初勝利の1996年以前のもの)。春は3回出場でわずか1勝である。
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