報道機関に公開された訓練
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 09:37 UTC 版)
「特殊急襲部隊」の記事における「報道機関に公開された訓練」の解説
愛知立てこもり事件の発生以来、SATは報道機関に訓練を公開するようになり、2007年には警視庁SATが初めて訓練を公開し、2010年には神奈川県警察SATと愛知県警察SATが訓練を公開した。さらに2013年には千葉県警察SATが訓練を公開した。なお、2007年以降の公開訓練でSAT隊員が着用した防弾ベストは、上腕部を保護するプレートが追加されており、防護範囲が拡大されている。 2007年7月5日には東京都内の訓練施設において、警視庁SATの訓練が初めて報道陣に公開された。この訓練は同年7月に北海道洞爺湖町で開催された主要国首脳会議(サミット)に備えたもので、屋内突入による犯人制圧と人質救出訓練や、ヘリコプターからの降下、狙撃訓練などが行われた。 2010年9月6日に神奈川県横浜市内の県警第一機動隊訓練場において神奈川県警察、警視庁、関東管区警察局の合同警備訓練が行われた。この訓練は同年11月に神奈川県横浜市で開催されたAPEC首脳会議に備えたもので、関係者が乗ったバスがハイジャックされたとの想定に基づき、神奈川県警察SATの狙撃班がヘリコプターからビル屋上に降下して狙撃配置に付き、突入班が閃光弾を使用してバスに突入し犯人を制圧、人質を救出した。 また、2010年11月26日には石川県志賀原子力発電所において、外国人工作員の襲撃を想定した警備訓練が報道機関に公開され、石川県警察銃器対策部隊と愛知県警察SATが参加した。この訓練を視察した安藤隆春警察庁長官は「朝鮮半島の緊張が高まる中、警察としては、全国の重要施設の警備に張り詰めた意識を持って当たりたい」と発言した。 2013年5月11日に東京電力福島第二原子力発電所において、警察と海上保安庁の合同テロ対策訓練が行われた。この訓練はテロリストが復旧作業中の福島第一原子力発電所を襲撃したとの想定で行われ、千葉県警察SATと福島県警察銃器対策部隊、海上保安庁特殊警備隊(SST)などが参加した。この訓練では千葉県警察のSATが初めて報道機関に公開されており、訓練に参加した隊員は放射線による汚染環境下を想定し、放射線防護服を着用してテロリストの制圧を行った。 2015年12月22日に警察庁は東京都内の訓練施設において、警視庁SATと神奈川県警察SATの合同訓練を報道機関に公開し、河野太郎国家公安委員長が視察した。この訓練は2016年5月に開催される第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)を控え行われたもので、実弾を使用した射撃訓練や突入制圧訓練、人質救出を想定した狙撃訓練などが行われた。SAT同士の合同訓練の公開は創設以来初となる。 2016年3月28日に東京都江東区において、警視庁SATが突入訓練を報道機関に公開した。この訓練は東京駅構内で自爆テロが起きた後、逃走したテロリストが倉庫内に立てこもったとの想定で行われたもので、JR東日本など関連企業を含め、約360名が参加した。 2017年5月16日に愛知県小牧市の警察施設において、愛知県警察SATがテロリストの制圧訓練を報道機関に公開した。この訓練は、テロリストが市街地で歩行者の列に車で突っ込み、銃を乱射したとの想定で行われ、愛知県警察SATの隊員らが車で逃走するテロリストを追い詰め、閃光弾などを用いて制圧した。訓練を視察した坂口正芳警察庁長官は「あらゆる事態に適切に対応できるよう常に新しい手法を開発し、訓練により練度を高めるなど、テロ対策に万全を期してまいりたい」と発言した。 2018年2月16日に東京都内の高速道路上において、警視庁SATがテロ対処訓練を報道機関に公開した。この訓練は、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの中止を企てるテロリストがタクシーを乗っ取り、競技会場に向かう選手団や各国の要人を乗せたバスを襲撃して、人質を取ったとの想定で行われた。警視庁SATはバスに突入し、テロリスト役を制圧、人質役を救出した。 2019年5月9日に大阪府大東市の警察施設において、大阪府警察SATがテロリストの制圧訓練を報道機関に公開した。この訓練は、6月28日に開催される第14回20か国・地域首脳会合(G20サミット)の中止を企てるテロリストが銃を乱射して、市街地のビルに立て籠もったとの想定で行われた。大阪府警察SATの隊員らがビルの屋上からローブで降下し、閃光弾などを用いて制圧した。
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