報道機関の反応
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「2010年コピアポ鉱山落盤事故への反応」の記事における「報道機関の反応」の解説
チリ政府は救助の一部始終を独占生中継し、映像は全世界の放送局に無料で提供された。中継はチリの国営放送局TVNとの契約のもとに行われ、同局は45名からなるチームを派遣した。救助カプセルが地下に到達すると、鉱山内部の映像も提供されるようになった。一方、救助を報道するために全世界から2000人もの報道関係者が現地に集まり、鉱山に近いCampamento Esperanzaに滞在した。報道関係者の国籍はさまざまで、中にはイエメン、イラン、ロシア、フィンランド、中国、朝鮮民主主義人民共和国、日本といったはるか遠方の地から来た者もいた。チリのTV司会者ドン・フランシスコは現地からの実況放送において、「こんなにメディアの関心が集まっているところを見たのは1969年のアポロ11号帰還のとき以来です」と述べた。 こうして現地から送られた報道は注目を集め、最初に救助された鉱山作業員フロレンシオ・アバロスが地上に引き上げられた場面は、全世界で約10億人がテレビを通じて見守ったと見られている。インターネット利用状況の観測を行っているアカマイは、最初の鉱山作業員が救助された火曜深夜の時間帯は通常より20%もウェブトラフィックが増加し、また同社が全世界のニュースサイトのアクセス状況をまとめたNet Usage Index for Newsにおいて、チリの鉱山作業員救出の記事は2005年のサービス開始以来5番目に読まれたオンラインニュース記事となった、と報告した。新聞での扱いも大きく、救助の記事は全世界で一面に掲載された。スペインのナバーラ大学で行われた研究によれば、救出活動に関する報道が全世界のメディアのもたらした影響は、この年にチリで起きたもう一つの大事件、すなわち2月に中部で発生した大地震に比べてはるかに大きかったとされる。
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