防護範囲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 19:07 UTC 版)
避雷針の防護範囲を決める方法は、保護できる角度内に建物が収まっているかを見る「保護角法」があり、旧JIS A 4201では、避雷針の先端から頂角45度または60度の円錐形内に収まる部分が、落雷を免れる範囲としていた。しかし、2003年にIEC規格に合わせてJIS A 4201が改訂され、大きな建物などでは、円錐状でなく回転球体法によって求められるラッパ状の部分を、落雷から免れる範囲とするようになった。避雷針の効果は、半径30メートル以内の範囲と限られている。 ただしこの範囲は、「この中では絶対に落雷がない」というものではない。また避雷針そのものには落雷するため、避雷針やこれに接続された導線などに触れたり、あるいはその直近に居ると雷撃を被り、死亡することがある。また、このような場所に電気機器などを配置すると、これらに流れる雷電流そのものの分流や電磁誘導作用により破壊されることがある。 避雷針への落雷時、落雷のタイプや規模、接地の種類、大地抵抗率などの条件に関わらず、避雷針の接地極より2.5メートル範囲内の大地の電位勾配は極めて急であり、少なくともこの範囲内は極めて危険である。すなわち避雷針への落雷時、避雷針システム及びその周囲には高い電圧が発生することに十分な注意が必要となる。屋外地上部で埋設標などを頼りに、避雷針システムより十分な距離を確保したつもりでも、避雷針に接続されている導線、まして接地極の大きさ、広がりなどは見た目にはわからず危険なので、雷に遭った際には屋外に形成される避雷針の防護範囲に避難するのではなく、避雷針の防護範囲内に収められている建物内に直ちに避難すべきである。
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